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29000円

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2023/01/06

マイルズのB面名作(1)〜『ウォーキン』

(4 min read)

 

Miles Davis / Walkin’
https://open.spotify.com/album/2aiYquTSYZ6xdi1gyHHR76?si=RpZruuLHSayIHgyeo6z-CQ

 

CDやサブスクでは「(片)面」なんてありませんが、シングルでもアルバムでもレコードでは通常A面こそが売り、メインというか主力商品を投入するもので、B面はおまけみたいなもん、裏面、という認識が一般的ですよね、届け手も聴き手も。

 

だからそれを逆手にとってあえてB面にちょっとおもしろそうなものを入れてみたり、両A面扱いにしたり、マニアックな聴き手も注目したりっていうことがむかしからあると思います。好きなら全面聴きたいというのが本心でもありますし。

 

それにある時期以後みたいにアルバム全体で一貫した統一性、流れなんてものがまだなかった時代、LPレコード登場初期には、無関係のセッション音源を寄せ集めた、いはばコンピレイション的なものが多かったという側面もあって、A面B面でガラリと様子が違うなんてのもあたりまえでした。

 

マイルズ・デイヴィスの『ウォーキン』(1957年発売)だってそう。A面のブルーズ二曲こそが時代を画する傑作だというみなされかたをしてきましたが、B面の三曲は別なセッションからの音源なんですよね。そして、実はそっちも(そっちこそ?)チャーミング。

 

バンド編成もムードもA面とはだいぶ違う『ウォーキン』B面の三曲はクインテット編成。アルト・サックスにデイヴ・シルドクラウト(ってだれだかいまだによく知らない、ほかでも見ないし)、リズムはA面と同一でホレス・シルヴァー、パーシー・ヒース、ケニー・クラーク。

 

バップ系の熱いもりあがりこそが命のA面に比し、B面の「ソーラー」「ユー・ドント・ノウ・ワット・ラヴ・イズ」「ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー」には冷ややかなクールネス、温度の低さ、淡々としたおだやかさがあって、そういうところこそ好きですよ、いまのぼくは。A面が非日常とすれば、B面には日常的な室内楽っぽさがあります。

 

ボスがトランペットにカップ・ミュートをつけているのも(A面はいずれもオープン)そんなムードを醸成している一因です。くわえてA面に比べB面はビート感というかグルーヴが水平的でなめらか。スウィングするというよりす〜っと横に流れていく感じ。それは三曲ともドラマーがブラシしか使っていないことにも原因があります。

 

曲はですね、「ソーラー」がこのセッションのために用意されたマイルズ・オリジナルで、これしかしかなりの有名曲ですよ。なんたってこの音楽家の墓石にはこの曲の譜面が刻印されているくらいだし、じっさいSpotifyデスクトップ・アプリでみるとアルバム中再生回数も最多(600万回弱)。

 

「ユー・ドント・ノウ・ワット・ラヴ・イズ」はサックス抜きのワン・ホーン・バラード。イントロでホレス・シルヴァーが弾くちょっぴりいびつに跳ねるフレイジング(はこのピアニストが得意とするところ)に導かれ、しかしテーマ吹奏に入るとビート感は平坦なものになります。

 

その上をリリカル&メロディアスに吹いていくマイルズのプレイがとっても魅力的だと思うんですよね。バラディアーとしてまだ若干の未熟さも散見されますが、すでに数年後フル開花する持ち味の片鱗は、いやかなりか、覗かせているとぼくは聴きますね。

 

あんがいカップ・ミュートの音色が蠱惑的に響くという面だってあります。このジャズ・トランペッターはいうまでもなくハーマン・ミュートこそが生涯のトレードマークだったんですが、そうなる前はチャーリー・パーカー・コンボ以来ずっとカップ・ミュートを使っていました。

 

(written 2022.12.16)

2023/01/05

ASD(=ぼく)に理解できないこと

(2 min read)

 

・事実や正しさだけを最優先しないこと(みんななぜ?)
・ひとの気持ち(ぜんぜんわからない)
・他人の立場になって考える(なぜできないかと言われる人生だった)
・ギヴ&テイク(あげるだけ/もらうだけ)
・空気(読めない)
・世間(気にしたことがない)
・義理と人情(ってなんだっけ?)
・気遣い(やりかたわからず)
・タテ社会(生きづらい)
・本音と建前、ウラとオモテ(区別できない、すべて本音)
・うわべ(内実と違ったりすることがあるらしいね)
・思っても言わないこと(ストレートに言ってしまう)
・根まわし(いきなり本論をぶつける)
・社交辞令(言わないし、言われたことも額面どおり受け取る)
・忖度(悪だと思っている)
・落としどころ(ってなにを決めるの?)
・ソフト・ランディング(人生いつも難着陸)
・パズル、クイズ(イライラするばかり)
・正論だけ堂々と述べても通らないことがある(なぜ?)
・他人はウソをついたり本当のことを言わないばあいもある
・言外のふくみ

 

~~~

一方いいところもあるんですASDには↓

・語彙が豊富
・ファクト重視のコミュニケーション傾向
・論理思考が得意
・とことん突きつめて考える
・記憶力がいい
・言語スキル、特に筆力が高い
(相互コミュニケーションは大問題だけど、一方的発言は得意なのだ)
・細かいところに気づく能力
・興味のある一つのことをやり続ける集中力と持続力
・正直である
・常識にとらわれない発想力
・単調な作業を飽きずにできること
・根気や精密さのいる作業への適性
・見た目が若いこと

 

(written 2022.12.14)

2023/01/04

レイヴェイが好きというならベイカーも(チェット川柳)

(3 min read)

 

Chet Baker Sings
https://open.spotify.com/album/5JJ779nrbHx0KB2lBrMMa4?si=9WXWrA-OR4yFMTlLJFH9Cw

 

『Laufey Digs Jazz』プレイリストでいちばんたくさん選ばれていたのはチェット・ベイカーで五曲。レイヴェイは自分のアルバムでも「Just Like Chet」という自作曲をやっているし、間違いなくチェット・ベイカー好きでそれが最大のインスパイア源ですよね。こないだはエイモス・リーもチェット・ベイカーへのトリビュート・アルバムを出しました。

 

この事実、ほんとうはちょっとあれだったんですよねえ、ぼくには。大学生のころ最初に聴いたときからずっとチェットはどのアルバムもなんか苦手で、特にヴォーカルがどうしても性に合わないっていうか、長年ガツンとくるブラック・ミュージック・シンガーこそフェイバリットでしたから。

 

がしかしそれでも愛するレイヴェイが好きというのなら…と、使ったお箸まで舐めたいくらいな心情があるもんで、最近趣味も変化してきたしで、ちょっと気を取りなおして、まずは『Laufey Digs Jazz』に選ばれていたチェットの五曲を抜き出してまとめ、聴きはじめました。

 

なかでも二曲選ばれている1956年の名作『チェット・ベイカー・シングズ』がひときわ心地いいように聴こえました。約40年間なんど聴いてもピンとこなかったのに、推しの力ってホントおっきいですよ。オープニングの「ザット・オールド・フィーリング」なんて、いまやたまらない快感です。

 

こういったちょっと軽めのビートが効いた調子いいナンバーこそぼく的には本アルバムで最高の好み。でもたくさんはなくて、ほかに「バット・ナット・フォー・ミー」(これもいいね)と「ゼア・ウィル・ネヴァー・ビー・アナザー・ユー」「ルック・フォー・ザ・シルヴァー・ライニング」だけ。

 

こうした曲ではヴォーカルもいいし、薄味で涼やかな軽いオープン・トランペットもちょうどいい味つけに聴こえるし、全体的になだらかでおだやか。いまいち乗り切れない内気な恋愛をさっぱり淡々とつづっている様子は、まさにレイヴェイ的。スウィング、ドライヴしているというほどではなく、まったりもしすぎていない中庸さ、それが気分ですよ。

 

だからどっちかというと暗さ、沈んだブルーな色香がただよっているバラード・ナンバーは、いまのぼくにはまださほどでもなく。といっても曲によりますが、「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」「ライク・サムワン・イン・ラヴ」「アイヴ・ネヴァー・ビーン・イン・ラヴ・ビフォー」あたりはもっと時間がかかりそうです。

 

(written 2022.12.23)

2023/01/03

Getz / Gilberto+50と原田知世

(3 min read)

 

v.a. / ゲッツ/ジルベルト+50
https://open.spotify.com/album/3QTVKtmhzL0jKuKZy4ltXj?si=nmAhWbyhT7uEE9kYs4q5hA

 

『ゲッツ/ジルベルト』(1964)のことをいままではケッと思ってきましたから、50年目に全曲をそのままの曲順でカヴァーしたトリビュート・アルバムなんてねえ…と敬遠していたというか正直いって聴かずにバカにしていたというにひとしい『ゲッツ/ジルベルト+50』(2013)だったんですが(でもそのころなぜかCDは買った)。

 

いくら大好きな原田知世プロデューサー、伊藤ゴローの手がけた音楽だとはいえ、う〜〜ん、…と思っていたところ、きのうも書きましたように(レイヴェイ経由で)『ゲッツ/ジルベルト』がとってもステキな音楽だと還暦にしてようやく理解した身としては、ひょっとしてと思って『ゲッツ/ジルベルト+50』もじっくり聴いてみる気分になりました。

 

2013年というと日本でも現在みたいにレトロ&オーガニック路線のポップスはまだそんな大きな潮流になっていなかったはずですが、『+50』をいまの時代に聴くと、完璧なるその先駆けだったと思えます。つまり100%このごろのぼく好みの音楽ってこと。

 

やっぱりボサ・ノーヴァとはいえないと思うんですが、その要素のあるジャジー・ポップスで、おしゃれでスタイリッシュでおだやかソフトなJ-POPというおもむき。いうまでもなくゴローがプロデュースする知世がそんな世界を代表する存在なわけです。知世は『+50』にも一曲だけ「ヴィヴォ・ソニャンド」で参加しています。英語詞。

 

先駆けといってもゴローが知世をプロデュースするようになったのは2007年の『music & me』からのこと。すでにこのとき現在につながる傾向はしっかりありました。しかしこうしたちょっとボサ・ノーヴァっぽいジャジー・ポップスこそが知世&ゴロー・ワールドのカラーなんだ、その源泉みたいなのがここにあると、『+50』を聴いて感じます。

 

近年の日本の(コンピューター打ち込みをサウンドの主軸としない)オーガニックなおだやかポップスは、べつにゴローがつくりだしたとかパイオニアだとかいうわけじゃないでしょうが、『+50』を聴いて直後に知世などかけると、あまりにも酷似しているというかルーツがどのへんにあったかはっきりしているんじゃないでしょうか。

 

個人的には知世ラヴァー(正確にはゴロー・プロデュースものにかぎる)で、そんな世界にすっかり心身の芯まで染まっている身としては、『+50』を聴きながら、あぁこれだよこれこれこそぼくの好きな音楽のスタイルじゃないか、なんだ『ゲッツ/ジルベルト』だったんだ、レイヴェイもそうであるようにゴロー・ワールドもだ、と得心しました。

 

(written 2022.12.15)

2023/01/02

ぼくの『ゲッツ/ジルベルト』愛を言明できる時代にようやくなった

(3 min read)

 

João Gilberto, Stan Getz / Getz / Gilberto
https://open.spotify.com/album/2W6Hvrtg2Zpc9dW4aBDbdP?si=ZSkUsEjaT-mV3LIcvq3S7w

 

それで、これもレイヴェイが好きだということで、ただそれだけの理由(だけでもないんだけどほんとは)で、聴きなおし見なおすようになったジョアン・ジルベルト&スタン・ゲッツの『ゲッツ/ジルベルト』(1964)が、なんだかんだいってやっぱいいよね。

 

このブログでも以前はボロカス書いてしまいましたが、この手の音楽がまさかここまで復権してくるとはねえ、そのころ想像していませんでした。迂闊にものは言えないもんです。ちょっと前その記事にアクセスが多かったのはそういうことだったんですね。

 

レイヴェイも「プラ・マシュカ・メウ・コラソン」を選んでいたし、じっさいこういったあたりの、決してハードにスウィングもしない、おだやかに静かにそっとやさしく中低音域でささやきかけてくるような雰囲気を持った音楽こそ、現行レトロ・ジャズ・ポップス・シーンのというかレイヴェイ・ミュージックの主源流。

 

ですから「ドラリス」なんかもいいし「デザフィナード」(は「デサフィナード」が標準表記だけどジョアンの歌で発音を聴いてみて)もすばらしいです。さほどスウィンギーじゃなくじっとたたずんでいるような陰キャ・ムードがいいので、「イパネマの娘」「ソ・ダンソ・サンバ」あたりはそうでもありません。

 

サロン・ミュージックふうの密室性と広がりを同時に香らせている録音というか音響も実にいまっぽく、レイヴェイなんかそのへんまで本アルバムからコピーしているんじゃないかと思うほど。そしてムーディでおしゃれですし。

 

自室や雰囲気のいいカフェでラテやカプチーノを楽しんでいるときに聴くにはこれ以上なくピッタリくる音楽で、骨がないとかガツンとこないとかブラジル音楽がわかっていないとかいままでさんざん言われてきて、ぼくもちょっとそう思っていましたけど、いまとなってはすべて手のひら返したい気分。

 

『ゲッツ/ジルベルト』はきれいで良質な音楽ですよ。「ホンモノ」のボサ・ノーヴァ、ブラジル音楽じゃないかもしれませんけど、これはムーディでちょっとおしゃれな雰囲気のいいジャズ・ポップスですから。そこにボサ・ノーヴァ・インフルーエンストな要素が混ぜ込まれているだけの。

 

(written 2022.12.14)

2023/01/01

ホンモノ/ニセモノといった二分価値観とは違う世界 〜 レイヴェイ・ディグズ・ジャズ

(5 min read)

 

Laufey Digs Jazz
https://open.spotify.com/playlist/37i9dQZF1DWTtzPKJEaTC4?si=9132ccc459c44265

 

レイヴェイが好きなので関連もどんどん聴いているわけですが、こないだSpotifyに『Laufey Digs Jazz』というプレイリストが出現しました。レイヴェイほか現行レトロ・ジャズ・ポップス歌手たちの源流ともいえる古めの曲を集めたもの。

 

“Laufey shares her jazz favorites” と書いてあるので、Spotifyとレイヴェイがコラボしての企画かもしれません。ひょっとしてレイヴェイ自身の選曲っていう可能性が、いやたぶんそうに違いないと思わせる実感が、ふだんこの歌手のプライベートなInstagram投稿を見ているので、しっかりあります。

 

このプレイリストを流していていちばん強く感じるのは、ドライヴィな快速調が一つもなく、ふわっとソフトでおだやかで静かで室内楽な陰キャものばかりだということ。レトロ・ムードなんてのはいうにおよばず、こうした(ロックとはかすりもしないような)古めのジャズ・ソングこそ現行レトロ・ジャズ・シーンの源流になっているっていうの、もはやだれも疑わないことでしょう。

 

もうひとつとっても重要なことがわかります。それはいままでぼくら「ホンモノ」志向のジャズ聴きがケッと思ってきたような、つまりニセモノっぽいというかつまらないものと断じて遠ざけてきたような音楽が、ここではしっかり息づいているということ。

 

レトロ・ジャズ・シーンにおいてそうした「フェイク」が復権しつつあるというか、たとえば本プレイリストにも選ばれているヴァーヴ時代のビリー・ホリデイ、カクテル・ピアノ、『ゲッツ/ジルベルト』とか、おしゃれでムーディだけど骨がない、もし好きと言おうもんならわかっていないねとみなされてきたようなもの、そういうのが確固たる輝きとポジションを持つようになっています。

 

ある意味それらもホンモノと考えられるようになってきたというか、ホンモノ/ニセモノといった二分価値観とは違う世界がここにあります。つまり現行レトロ・ジャズ・シーンの主役になっているレイヴェイはじめ若手ジャズ歌手にとっては、紙で読むような玄人筋の本格古典評価なんてのは見たことないわけで。そんなの関係ないっていうか、サブスクでべたっとぜんぶならべて距離感の濃淡をつくらず聴いているみたい。

 

それでもって(周囲の、過去の評価にまどわされず)自分の耳で聴いて、心地いい、楽しい、くつろげると感じた音楽だけをみずから選びとっていて、自分でも書き歌う音楽のベースとしているわけなんですよね。ショップでレコードやCD買う際には棚にならべるための他者判断がどうしてもあらかじめ介在しますが、サブスク聴きの普及でそれが薄くなりました。

 

特にボサ・ノーヴァふうというか、つまり(従来的な見かたでは)フェイク・ボサ・ノーヴァなんですけど『ゲッツ/ジルベルト』みたいな音楽が、現行レトロ・シーンにおいてしっかり再評価されているということは、このアルバムがいいと思う人間はブラジル音楽がわかっていないとされる価値観で生きてきた人間には軽いショックですらありました。

 

ブラジル音楽、ボサ・ノーヴァと考えようとするから『ゲッツ/ジルベルト』やそれ系のちょっぴりスタイリッシュなボサ・ノーヴァ・インフルーエンストなアメリカン・ポップスなんかくだらないとなるんであって、そんな要素を軽くとりいれてみただけのムーディなジャズ・ソングとして、実はゆっくりおだやかにくつろげる良質ポップスだとわかってきます。

 

ジョアン・ジルベルトやアントニオ・カルロス・ジョビンが全面参加しているもんだからそのあたりの評価であれこれ言われますけれども、レイヴェイや2020年代のレトロ・ジャズ・シーンにいる新世代歌手たちにとっては、それもまたムードがあって楽しいリラクシングな音楽なんですよ。クラシック系の一部室内楽やスウィング・ジャズなどと同列で。

 

(written 2022.12.12)

2022/12/31

世間でいうレトロ・ポップスとぼくの好きなレトロ・ポップスは違う

(4 min read)

 

Retro Pop
https://open.spotify.com/playlist/37i9dQZF1DXcTieYAg7jq1?si=4098e2c3ce954e96

 

上の写真はSpotify公式のレトロ・ポップ・プレイリスト。聴いてみてわかるのは、こうした近ごろ流行りの世間でいうレトロ・ポップスと、ぼくが好きでブログでどんどん書いているレトロ・ポップスにはズレがあるということ。

 

世間でいうレトロ・ポップスとは要するにレトロR&Bのことなんですよね。特に1980年代ものかな、そのへんのR&Bを意識した音楽で、世紀の変わり目ごろからのネオ・ソウル隆盛が70年代ニュー・ソウルの復権運動だった(デジタル打ち込み主流音楽への反動もあり)のに比べ、そこからさらに時代が進んだところへのあこがれの眼差しということです。

 

それでも上の画像どおりジャケットのふちの紙がこすれてかすれたようなデザインに配信だけどわざわざなっているのでもわかるように、たしかに過去への、アナログ時代への、それも中古レコード盤で聴くような世界への回帰というか、いまふうのリバース(rebirth)現象なんです、レトロR&Bも。

 

そのあたり当時のR&BにもレトロR&Bにもそんなには強い愛好気分のないぼくが心底大好きでどんどん記事にしている「レトロ・ポップス」は、ちょっと別なもの。ぼくのいうレトロ・ポップスとは、つまりレトロ・ジャズのことです。1920〜50年代前半的な、ディキシーランド・ジャズ、スウィング・ジャズ時代への遡及を聴かせる現代ポップ歌手たちこそが好み。

 

具体名をあげればレイヴェイ、ダヴィーナ&ザ・ヴァガボンズ、サマーラ・ジョイ、ルーマー(の主な素材は70年代ものだけど)、サマンサ・シドリー、エマ・スミス、メグ(民謡クルセイダーズ)、キャット・エドモンスン、ヘイリー・タック、ノナーリア(インドネシア)など。

 

共通しているのはロックンロール・ビッグ・バンがあったその前の時代へのレトロ現象だってこと。だからロックともR&Bとも縁がなく、爛熟黄金時代だったジャズやそれ系ポップスの曲や演唱スタイルをひたすらなぞって21世紀に再現しているわけです。そういったいまどきの音楽こそ好きなんです。

 

そうしたレトロ・ジャズ・ポップスとはどういった音楽で、21世紀に誕生し隆盛になっている理由や背景とか、個人的にどこがどんなふうに好きかなど、いままでも散々書いてきたことなので、過去記事をぜひお読みください。このへんとか↓

 

「ジャジーなレトロ・ポップスが、いまドープ ver.1.0」
https://hisashitoshima.cocolog-nifty.com/blog/2021/12/post-b45f60.html

 

あるいはこれ↓

「ジャズにおけるレトロ・トレンドとはなにか」
https://hisashitoshima.cocolog-nifty.com/blog/2022/09/post-7d3478.html

 

きょう一番上でご紹介したSpotifyの「Retro Pop」プレイリストはレトロR&Bのセレクションなんですけど、それでも一曲レイヴェイが選ばれたりもしていますし、そのほかにもぼくの趣味にあうレトロ・ジャジーなものがちょこちょこふくまれています。

 

そのあたりきっちり区別しすぎず、過去へのあこがれと遡及を聴かせるコンテンポラリー・ポップスをおおざっぱにくくって「レトロ」と呼んでいるのがこのごろの傾向なのかもしれないですね。いずれにしても若者に特有の気分で、日本でだってZ世代に昭和レトロが流行しているのは同一基軸の現象なんですね。

 

(written 2022.12.17)

2022/12/30

ベスト・アルバム 2022

(2 min read)

 

My Best Songs 2022
https://open.spotify.com/playlist/6dVHmu1vZhUQyYf9c2GojA?si=10f4dca563ec43c2

 

評価とかデータ面じゃなく、個人的印象や愛好フィールの強さで順に並べてあります。

 

1)Laufey / The Reykjavík Sessions(アイスランド)

もう息の音までも好き。
https://open.spotify.com/album/6ETdl4OHcpXhMQdLWstM2G?si=gs_QJo-KSIi2FIFGaFV1mA

 

2)Patricia Brennan / More Touch(メキシコ)

2021年はじめから応援しているヴァイブラフォン奏者の新作は、今年のジャズでNo.1の内容になりました。
https://open.spotify.com/album/68FjddVbbxBB0qI58Lsqu6?si=ac9Jr2aTR1u4iYWtYySuKQ

 

3)孙露 / 忘不了(中国)

こうした静かなおだやか系ポップスこそ、いまのぼくの最愛好品。鄧麗君のカヴァーも二曲あり。
https://open.spotify.com/album/1UL8CRnyaqwSlBjWvodInI?si=HenCuYTHTc2PlwoHedZH8A

 

4)L8ching / Dive & Give(台湾、2021)

都会的洗練(=退廃)のきわみ。特に4曲目での異要素接合ぐあいにはほんとうに感心しました。
https://open.spotify.com/album/1Zl1TH7j0cZEHf03ScvES2?si=NdYTMf7RQ76ZIDv77b4C6Q

 

5)原田知世 / fruitful days(日本)

語らずとも知れたいちばん好きな歌手というか音楽。
https://open.spotify.com/album/4qEzXvDAgusrcMi5O5dWr7?si=8sJ__GuSQPqU6gA7L6z-wA

6)Rumer / B Sides & Rarities Vol.2(アメリカ)

これもよく聴きました。やはりレトロ&オーガニック路線のアメリカン・ポップスで、2020年代のトレンドをかたちづくっているもの。
https://open.spotify.com/album/0CNhXKYx4kOOZrelgXiGUr?si=qJmylaz3TtegWuqWJ7N7Vg

 

7)Nduduzo Makhathini / In The Spirit of Ntu(南アフリカ)

今年のジャズ新作ではパトリシア・ブレナンと並び抜きに出ていましたね。夏ごろまでは年間一位にしようという気分でした。
https://open.spotify.com/album/3UnSb3V4gzrt2ofjYfsLDl?si=Twe5_04IQ1iWOYOKh_Y8cQ

 

8)大西順子 / Grand Voyage(日本、2021)

ピュアな肉体派の快感を追求したがんがんくるジャズ・ピアノ。こういうのに出会うといまだゾクゾクします。
https://open.spotify.com/album/6gzWFN7EHXqlNTvP7iKLP3?si=dEGMOVMfRUWlAh6XkAf0fg

 

9)Here It Is: A Tribute to Leonard Cohen(アメリカ)

コロナ時代ならではの現代的形象をまとったレナード・コーエン・ソングブック。沈鬱だけど、暗さとないまぜの鈍く輝くあざやかさがあり。
https://open.spotify.com/album/7dcCXRBgb3p86KCg4ZUTff?si=FL_ziiEnQpGM0zCuhZMDRQ


~~~

(参考)再生回数順の2022年新作リスト

1)原田知世 / fruitful days(日本)
2)Rumer / B Sides & Rarities Vol.2(アメリカ)
3)岩佐美咲 / アキラ(日本、2021)
4)Edu Sangirardi / Um(ブラジル)
5)Laufey / The Reykjavík Sessions(アイスランド)
6)Laufey / Everything I Know About Love(アイスランド)
7)Steve Dawson / Gone, Lone Gone(カナダ)
8)Flora Purim / If You Will(ブラジル)
9)Nduduzo Makhathini / In The Spirit of Ntu(南アフリカ)

※ そしてこれらよりずっと過去作を聴きました。

 

(written 2022.12.3)

2022/12/29

リズム&ブルーズ/ポップ・クラシックスへのレトロなオマージュ 〜 レイク・ストリート・ダイヴ

(2 min read)

 

Lake Street Dive / The Fun Machine: The Sequel
https://open.spotify.com/album/5O41WrYns4BBDOtvVx1JFM?si=c1BLik8mTtq_kt451aTtgg

 

あるときふと流れてきた「ソー・ファー・アウェイ」(キャロル・キング)に惹きつけられ、知っている既存ヴァージョンのどれでもないし…、と思って見てみたらレイク・ストリート・ダイヴとの名前。はじめて出会いました。

 

調べてみたらボストン出身で、そこそこキャリアを積んだ名のあるバンドみたいです。その「ソー・ファー・アウェイ」はアルバム『The Fun Machine: The Sequel』(2022)に収録。ジャケット・デザインでも暗示されているとおり往年の有名ポップ・ソングのカヴァー集で、選曲も音楽性もちょっぴりレトロ。

 

全六曲、オリジナル歌手を記載しておきます↓

1 ポインター・シスターズ
2 ディオンヌ・ワーウィック
3 シャニア・トゥウェイン
4 キャロル・キング
5 ボニー・レイト
6 クランベリーズ

 

レイク・ストリート・ダイヴはフロントで歌うレイチェル・プライスのソウルフルでちょっぴり気だるそうなレイジーなヴォーカルがなんともチャーミングで、といっても男声がリード・ヴォーカルをとっている曲もあります。サウンドはメンバーの生演奏で構成されていますね。

 

個人的に特に強く印象に残ったのは、ですから4「ソー・ファー・アウェイ」(パラパラと点描するエレキ・ギターもいい)と、1「オートマティック」、それから3「ユア・スティル・ザ・ワン」(男声ヴォーカル)あたり。三つ目の曲知らないなと思って調べてみたら、ポップ・カントリーの歌みたいですよ。

 

シンプルでなんでもないようなバンドの演奏も、しっかりした技術に裏打ちされているうまいもの。レイチェルのコクのある声と歌いこなしにはそこはかとなくセクシーさもただよっているし、コーラス・ワークだってチャーミングで、曲次第ですけど今作は古典的リズム&ブルーズ/ポップへのレトロなオマージュということで。

 

(written 2022.12.25)

2022/12/28

「でもぼくのためじゃない」〜 my favorite torch songs(英語圏篇)

(3 min read)

 

my favorite torch songs
https://open.spotify.com/playlist/2zfyPmq1QYn4vPQwYqS4J7?si=99e52bb774c54f20

 

いちばん好きな失恋の歌はプリンスの「ナシング・コンペアーズ・2・U」。そのほか好きなトーチ・ソングばかり15曲集めて約一時間のプレイリストにしておきました。つらく切なく美しくて崇高で、実にいいですよねこの世界。

 

1 Prince / Nothing Compares 2 U
2 Laufey / Let You Break My Heart Again
3 Mica Miller / Will I See You Again
4 Chet Baker / But Not for Me
5 J.J. Johnson / It Could Happen to You
6 Carmen McRae / It’s Like Reaching for the Moon
7 Billie Holiday / These Foolish Things
8 Laufey / Falling Behind
9 Miles Davis / It Never Entered My Mind
10 Derek & the Dominos / I Looked Away
11 Willie Clayton / I’d Rather Go Blind
12 Allen Toussaint / Long, Long Journey
13 Billie Holiday / Solitude
14 Frank Sinatra / One for My Baby
15 Derek & the Dominos / Thorn Tree in the Garden

 

離別や失った恋ばかりでなく、はなからうまくいかない恋、届かない恋、片想い、妄想、内気な臆病さ、失意の予測、諦観と落ち着き、懐古、曇り空など、トーチ・ソングの内容はさまざま。

 

セレクションを一曲一曲説明はしませんが、2、8レイヴェイ、3ミカ・ミラーあたりは一般的にまだ無名どころでしょうね(後者なんかぜんぜん?)。11ウィリー・クレイトンもひょっとしてそうかな。

 

ウィリーを選んだのには理由があって、大好きな失恋歌「アイド・ラザー・ゴー・ブラインド」を入れたかったんですが、本命スペンサー・ウィギンズのがサブスクにないんですよね。それでウィリーのを。これもいいです。

 

それら以外は説明不要。失恋ソングといっても、そんな深刻で悲しく落ち込むようなものよりも、うんそれもいいんだけど、曲調はわりと明るく楽しげにスウィングしているものが多いような気がします。そんでもって孤独で気高い。

 

それが個人的に好みだというばかりでなく、そもそもトーチ・ソングの世界とはそういうもの。歌詞にあまりのめり込みすぎないインストルメンタル・ジャズに長年親しんできたからっていうのもありそうですけどね(といっても今回はそんなに選ばなかった)。

 

個人的にはアロマンティックゆえ、これといった大きな恋愛も失恋も人生でしてこなかったんですが、そういう歌を聴いてなんとなくファンタジー気分にひたったりするのは快感で大好き。他人事ですけど、没入しすぎない距離感も音楽には大切です。

 

(written 2022.12.25)

2022/12/27

過去に無法地帯だったYouTubeで

(4 min read)

 

Miles Davis / Star People
https://www.youtube.com/watch?v=PsXqBdkaZbU

 

2010年にやりはじめ、いままでいくつアップロードしたかわからないYouTube音楽ファイル(ぜんぶで100やそこらじゃない)。そのうちコメント数最多なのがマイルズ・デイヴィスの曲「スター・ピープル」(1983)で、93個(2022年11月22日時点)。音楽への賞賛の声ばかり。

 

再生回数ならドクター・ジョンの「アイコ・アイコ」が約23万回でトップなんですが、そっちで見たって「スター・ピープル」は第三位の7万4千回ですし、どうしてこんなに人気なんでしょうね。ドクター・ジョンのほうは逝去と回顧で一気に再生数が伸びた感じでした。

 

「スター・ピープル」をアップロードしたのは2015年9月18日となっています。ブログをはじめた直後の時期で、筆力のおぼつかないぼくなんか音源共有の必要があるんですね。サブスク・サービスはまだなかったから、YouTubeでさがして見つからないものは自分でファイルつくって上げていました。

 

ブログ開始後のぼくのYouTubeチャンネルはそんなのばっかりで、すべては文章による説明力不足を補う目的で音源ファイルを貼っておきたいということでした。サブスクが普及し活用するようになって以後は自分でやる必要がなくなり。権利関係のしっかりしている正規サービスですし。

 

権利関係、なんてことを言いだしたら、ですからもちろんぼくは他者に権利があるCD商品音楽ばかり無断でアップしていたわけなので、グレーどころか真っ黒け。じっさいプリンスなどものによっては権利者に見つかってクレームされYouTube当局に強制削除されたものだってありました。

 

グレー(っていうかブラック?)な存在のままでいるのも個人的にイヤになってきて、権利関係の整った音源を、プライベートなブログだけど紹介したいという気持ちが強くなってきましたし、それになによりやっぱりサブスク・サービスの普及がぼくのなかではとってもデッカい。これで安心してご紹介できるなって。

 

そんなわけなんで、マイルズとかは(プリンスも多くのドクター・ジョンも)すべてがサブスクに乗っているんですから、なんだったらそっちでさがして聴けばいいでしょっと思うんです。なにもどこのだれだかわかんない日本人の無断アップロードで聴かなくたって。あるいはCD買うとか。

 

そのへんはですね、ひょっとしてやっぱり音楽もタダ聴きできるぶんにはなるたけそうしたい、その点サブスクはちょっとあれじゃないかとか、そういうふうにお考えになっているみなさんが世界中にあるいはたっくさんいるのかもしれないですよね。

 

もちろん今日ここまで書いたぼくのあたまにあるのは過去に無法地帯だった時代のYouTubeであって、最近は権利関係をちゃんとするようになりましたし、音楽家やレコード会社などが公式に作品を紹介したり新作を発表したりする場ともなっていますので、いまや事情は違っているんですけども。

 

ぼくの「スター・ピープル」だって、正規にこの音楽の権利を保有しているSMEへのリンクがいつごろか貼られているし、そのほか(ブートレグ音源以外は)どれもだいたい同様ですから、1再生いくらっていう勘定で権利保有者にお金が行くことになっているんだろうと思うんです。

 

だから、いいんですけど。YouTubeでどんどん聴いてもらって。アップローダーがぼくですけどね。

 

(written 2022.11.22)

2022/12/26

ステファン・フィールで 〜 エリア・バスチーダ

(4 min read)

 

Èlia Bastida / Tribute to Stéphane Grappelli
https://open.spotify.com/album/26BlMn31cs7svG0qevEIV5?si=_BjSSE26SpauPrdPiZbx0g

 

エリア・バスチーダは1995年バルセロナ生まれ、岩佐美咲や中澤卓也と同い年で、いはゆるZ世代の一員です。四歳からヴァイオリンをはじめてクラシック音楽の修練を積み、17歳でジャズ・バンドに加入したそう。

 

公式ホーム・ページによれば主な影響源はチェット・ベイカー、スコット・ハミルトン、アート・ペッパー、デクスター・ゴードン、ソニー・スティット、ステファン・グラッペリ、サラ・ヴォーン、レスター・ヤング、エリス・レジーナ、ジョアン・ジルベルト、シコ・ブアルキ、フレディ・ハバード、クリフォード・ブラウン、ビル・エヴァンズ、エラ・フィッツジェラルドなど。

 

2017年以後すでにいくつもアルバムを出してきているようですが、最新作『Tribute to Stéphane Grappelli』(2022)は題名どおり偉大な影響源にささげた内容。いいですねこういうの。基本ギター&ベースとのトリオ編成で、曲によりドラムスも参加しています。

 

MJQの「ジャンゴ」だってやっているし(それも二回)、ってことはつまりフランス・ホット・クラブ五重奏団がやったようなああいった音楽を指向しているのかなと思うとすこし違って、トラディショナルなストレート・ジャズをベースにクラシカルな方向性に寄った内容を展開しています。

 

地金がクラシック・ヴァイオリンなんだろうという気がしますが、それでもステファン・グラッペリへの敬意は音色とフレイジングのはしばしに表現されているのがわかって好印象。常に気品高く、決して俗な感じにならない音楽家ですね。

 

おだやかに落ち着いた平坦な音楽で、こういう雰囲気はレトロ&オーガニックな路線が支持されるようになって以後分野を問わず拡大しているものです。劇的で大げさなところのとれたなだらかな老境に入りつつある現在のぼくの心境にはピッタリ。

 

ジャズとクラシックだけでなくブラジル音楽好きを本人は公言していますが、本アルバムを聴くかぎりではブラジルっていうよりカリブ方面へのアプローチが濃く出ているような感じです。それは意識してというよりスペイン人だから自然とラテン性がにじむということかもしれません。

 

特にカリビアンなラテン・ジャズ(・クラシック)っぽさが鮮明なのが4、5、8、13曲目あたり。ヴァイオリン・スタイルはどこまでも典雅ですが、リズムにはっきりした愉快さ楽しさがあります。ボレーロ(だけどアバネーラっぽい)、スウィング、カリビアン・ダンス、ファンクなど。

 

なかでも8「ダンス・フォー・ステファン」のリズムとか13「グラッペリア」のファンクネスなんてすばらしいですよ。どっちもステファン・グラッペリの名前が曲題に入っているわけですから、ことさトリビュートを意識して書いた自作なんでしょう。現代的な相貌をとったグラッペリ・ミュージックとも解釈できます。

 

いっぽうでJ・S・バッハの曲にジャジーなビートを付与して演奏したり(3)、また9「ネイチャー・ボーイ」なんて有名ポップ・ナンバーがクラシカルなヴァイオリン独奏曲みたいになっていたりするのも、エリアの一面でしょう。ヴォーカルを披露する曲もあります。サックスもやるそうですが本作では聴けず。

 

(written 2022.12.22)

2022/12/25

戦後録音のなかではNo.1ディキシーランド・ジャズ 〜 エディ・コンドン

(3 min read)

 

Eddie Condon / Jam Session Coast-to-Coast
https://open.spotify.com/album/7AG4Cw4RDYvgmmYS66Xc5o?si=5ZVYShLuSsW3HZZ-pEwqqg

 

同じ音楽のことばかりなんども書いてゴメンニャサイほんとうに心底好きなんだエディ・コンドンの『ジャム・セッション・コースト・トゥ・コースト』(1954)。これ、最初にこのブログで記事にしたころはまだサブスクなかったので、外せないと思う重要曲は自分でファイルつくってYouTubeに上げたのをリンクしていました。

 

このレコードでのコンドン・バンドの演奏はA面だけで(B面は別の西海岸バンド、コンドンらは東海岸)、しかも最高にチャーミングだと思えるのはラストのジャム・セッションを除く冒頭三トラックだけ。それらは真なる極上品ですよ。戦後録音のなかではNo.1ディキシーランド・ジャズでしょう。

 

YouTubeファイルに付くたくさんのコメントを読んでいると、このレコードを当時買ってそのまま愛聴し続けているというアメリカ人年配ファンのかたが、たまたまYouTubeでぼくのそれを見つけてうれしくなってコメントしてくださっているというケースが多く。

 

そうですよね、ぼくみたいに(比較的)若い、しかも日本在住の日本人がこんな古いアメリカン・ジャズが好きで好きで、みずから進んでファイルまでつくってアップロードしているんだから、本場(ではいまだ至るところでこの手の音楽は生演奏されている)の古株ファンからしたら「こいつだれ?」ってなりますよねえ。

 

冒頭三トラックのうち、二つ目がとってもきれいでチャーミングなプリティ・バラード三曲のメドレーでうっとりするし、1・3トラック目はドライヴするスウィンガー、それもめっちゃ楽しくて、自室のなかでかけていても踊りだしてしまうし、思わず笑顔になって気分もアップ、イヤなことなんかすっかり忘れちゃうっていう、これぞ大衆エンタメ音楽の真髄ですよ。

 

Spotifyをやるようになった最初のころはこのアルバム入っていなかったと思うんですが、じきに聴けるようになったのがこれ(上と同じ)↓
https://open.spotify.com/album/7AG4Cw4RDYvgmmYS66Xc5o?si=hL7SMzfySQ-UvlChXn63UA

でもこれなんでこんなジャケットなんでしょうね。同じデザインで古典ジャズ音源がたくさんサブスクにありますから、なにかの復刻シリーズなんでしょう。いっぽうオリジナル・ジャケをきれいに整理して(整理しすぎだけど)、同じ音楽だけどべつなものもSpotifyに最近あります↓
https://open.spotify.com/album/4pvnCA7OPlyFpIfq4nVJaV?si=FZHjRu1yQmmjsG_WF2ZqGw

ジャケだけ見たらこっちのほうが雰囲気だぞと一瞬思ったんですけど、なんと音質的に問題ありなんですね。聴けたもんじゃないかと思うほど悪い。二つを聴き比べれば違いは瞭然としています。ですからもしこのアルバムをサブスクで聴いてみようかなとお考えのかたは、ぜひ前者のジャケのやつをさがしてください。オリジナルのレコードやリイシューCDに近いのはそっちです。

 

(written 2022.12.18)

2022/12/24

エマ・スミスのレトロ・ジャジーなクリスマスもいいね

(1 min read)

 

Emma Smith / Snowbound
https://open.spotify.com/album/0ExyRBD1gjGW2OUeKYecrJ?si=TXWDrro1QvqyxF22ROEwSw

 

以前一度書いたロンドンのレトロ・ジャジーなポップ歌手、エマ・スミス。最新EP『スノウバウンド』(2022)はクリスマス・ソング集です。リリースがちょっと遅かったっていうか、今年のぶんはもうレイヴェイので書いちゃったけど、エマのこれも楽しい内容なのでスルーできず。軽く触れておきます。

 

全五曲、いずれもよく知られたスタンダードな古典的クリスマス・ソングで、日本でも親しまれてきたものが多いです。エマの本作でのレンディションは基本オーソドックスなメインストリーム・ジャズのスタイルに沿ったものですが、ところどころハッとさせるおもしろさがあり。

 

オルガン・トリオ+テナー・サックスという典型的モダン・ジャズ・コンボを伴奏につけていて、オープニングのおなじみ「赤鼻のトナカイ」はなんとファンク・チューンに変貌していますからね。かなりタイトでカッコいい。エマってこういうのもできる歌手なんだと知りました。

 

2曲目以降はジャジー&かなりブルージーに。サックスとハモンド・オルガンのムーディなサウンドが目立っている内容で、エマも雰囲気たっぷり。ナイト・ムードなバラード二曲、スキャットをまじえながら4/4ビートでスウィングするストレート・ジャズ、三拍子12小節3コードのブルーズ。

 

(written 2022.12.21)

2022/12/23

クリスマス with レイヴェイ

(3 min read)

 

Laufey / A Very Laufey Holiday
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毎年クリスマス・イヴにはクリスマス・ミュージックのことを書いていますが、今年は愛するレイヴェイ(アイスランド)の歌うそれで楽しみます。個人的心情ではレイヴェイ・イヤーでしたし、じっさい大きくブレイクしたし、愛好度もいちじるしく増したというわけで。

 

レイヴェイがこないだリリースしたクリスマス・ソングは「ザ・クリスマス・ウォルツ」(2022)。最初これ一曲だったのが、その後カップリング・ナンバーも追加されました。曲はフランク・シナトラのためにサミー・カーンとジュール・スタインが書いた、初演は1954年のシングルB面。その後スタンダード化しました。

 

レイヴェイの「ザ・クリスマス・ウォルツ」は、まずじわっと入ってくる瀟洒なストリングス・サウンドではじまります。弦楽は最初と最後に出てきていろどりを添えていますが、データがないのでどこのオーケストラかなんてことはわかりません。

 

ただいま(11月)欧州ツアーのまっただなかでレイヴェイがこれをリリースできたということは、あるいはひょっとして(わからないけど)故郷レイキャヴィクのアイスランド交響楽団という可能性があるかもしれません。10月末に同地で共演コンサートを行ったばかりですし、そのとき実家にしばらく滞在していたようですから。

 

レイヴェイのライヴはほぼ常にひとりでの弾き語り中心で、ときたまサポート・メンバーがつくケースがありはするものの、いずれにしても「ザ・クリスマス・ウォルツ」で聴けるような大規模弦楽と行動をともにするチャンスはほとんどありません。いつも陰キャなベッドルーム・ポップっぽいのがレイヴェイ。

 

「ザ・クリスマス・ウォルツ」だって、弦楽が聴こえていない時間はやはり弾き語りで、自室で録音したような響きを中心に構成されていますよね。終盤こどものヴォーカル・コーラスと、しめくくりにそのまま「メリー・クリスマス!」とみんなで元気に叫ぶ声が入っています。

 

カップリングの「ラヴ・トゥ・キープ・ミー・ウォーム」は2021年12月にシングル・リリースされていたものをそのまま流用。ドディーとのデュオ・ヴォーカルで、こっちもチャーミングです。やはり季節感ピッタリな冬の歌ってことで選んだのでしょう。

 

(written 2022.11.20)

2022/12/22

「(あのうまいやつを)淹れてくれ」

(3 min read)

 

写真は2018年2月に買って以来ずっと愛用しているカリタのコーヒー・ミル。これ以前は手まわしで挽くハンド・ミルを使っていましたが、どうしても粉の大きさに多少のムラができてしまっていました。ハンド・ミルでは避けられないものですが、超微粉は雑味の原因になるので。

 

とはいえ、2018年に買ったということはわりと最近ですよね。長い人生それまでずっとハンド・ミルを使ってきたわけで、それで満足していなかったというのでもありません。その前なんかお店で挽いてもらってパウダーにしたのを持って帰っていたくらいですから。

 

焙煎豆のままで買ってきて淹れるたびに挽くようになったのは、実はそんな前の話でもなくて、たしか世紀の変わり目ごろのこと。ミルは渋谷東急ハンズで買ったと思います。職場が渋谷にあったので、その帰り道でハンズに立ち寄ったんでした。

 

淹れる直前に豆から粉にするようにしてからは、できあがりのコーヒー液の風味がぐんと向上するようになったというのを当時実感していました。カリタの(業務用スペックの)電動ミルを買ったのがぼくにとってはコーヒー人生二度目の革命で、それ以後はホントおうちカフェ・タイムが楽しくって。

 

ペーパー・ドリップでコーヒーを自作するようになったのはたしか大学生のころから。高校生時分にわりといいインスタント・コーヒーを買って愛飲していて、もっと本格的な味を!と追求するようになったんだったと思います。それで紙のガイド・ブックとかを買って(当時ネットはない)いろいろ調べました。

 

両親や弟たちと同居している時代だったので、自分用のコーヒーをつくる際にみんなのぶんも同時にドリップして「うまい」と称賛されていたのはおぼえています。弟二人はそんなにコーヒーほしがらなかったんですが、両親がコーヒー好きでした。「(あのうまいやつを)淹れてくれ」とせがまれることもしばしば。

 

上京してひとり暮らしになってはじめて自分にだけコーヒーをていねいに淹れるという日々になりましたが、その後10年弱で結婚して二人暮らしになりましたから、今度はパートナーのぶんもいっしょにつくることになりました。どっちも働いていましたから時間が合わないときはしょうがなかったんですけど。

 

離別してからもコーヒー・メイクをやめるなんてことはなく、その後はふたたび自分用に一人分だけつくって飲むという日々が現在まで続いています。間違いなく死ぬまでずっとこのままひとりなので、だれかのためのコーヒーをいっしょに淹れるっていうことは今後ないでしょう。

 

お店出せばいけるんじゃないかなんて言われることもときどきあるコーヒー・ライフでしたが。

 

(written 2022.12.13)

2022/12/21

だらだら流し聴きで気持ちいい 〜 トム・ペティ at フィルモア 97

(4 min read)

 

Tom Petty and the Heartbreakers / Live at the Fillmore, 1997
https://open.spotify.com/album/1XtnMkxeV9wdELLvBZxktL?si=inzl22NsTx6HS1fKbAvgtw

 

トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの『ライヴ・アット・ザ・フィルモア、1997』(2022)。これも大部なボックスもののようで、フィジカルはおろかサブスクですらそうしたものへの興味が消え失せつつあるぼくなんかケッとか思って、縁はないだろうとたかをくくっていたんですけども。

 

それでもちょっと気を取りなおして、なにを聴いてもいいヒマな時間がたっぷりあったのでだらだら流し聴いてみました。そうしたらとても心地いいんですね。なんでしょうかこれ。どこがそんなに?というと、古典的なロックンロール・スタンダードを当時のスタイルのままでたっくさんカヴァーしているところ。

 

ロカビリーだってあれば、ヴェンチャーズみたいなインストものあり、ブルーズ、カントリーなどもりだくさんで、さながらロック系アメリカン・ミュージック史の見本市みたいになっています。三時間半もあるからじっくり腰を据えて向きあうには長すぎるんですが、BGMとして流し聴きしていればいい雰囲気なんですね。

 

ただなんとなくやってみたというんではなく、この1997年の一ヶ月間にわたるフィルモア・ウェスト・レジデンシー公演20回(録音されたのはラスト6回)でのトム・ペティには、はっきりした意図があったんじゃないかと思わせるロック・クラシックス・トリビュート的な内容です。ぼくみたいな常なる古典派人間にはうれしいところ。

 

とにかく全体の半数以上がカヴァーなんですから、ボブ・ディラン/ビートルズ以後自作自演オリジナル至上主義でやってきたロック界ではめずらしいこと。ですから、もちろんスペシャルなライヴ・シリーズだったというのがあったにせよ、トム・ペティ自身なにかクラシックスを意識した面がこのときはあったと思うんですよね。

 

チャック・ベリー、リトル・リチャード、ボ・ディドリー、J.J.ケイル、ローリング・ストーンズ、リッキー・ネルスン、ゼム、ゾンビーズ、ヴェンチャーズ、ブッカー・T&ザ・MGズ、キンクス、グレイトフル・デッド、ザ・バーズ、ボブ・ディラン、レイ・チャールズ、ビル・ウィザーズなどなど。

 

なんと007映画の主題歌だったジョン・バリーの「ゴールドフィンガー」までやっているし、さらにはジョン・リー・フッカー本人をゲストでむかえての三曲なんか、ある意味このアルバムの私的クライマックスともいえる高揚感。フッカー御大はいつもどおり淡々と自分のブルーズをやっています。それとは別にロジャー・マグイン(とトムは発音)が参加するパートもあり。

 

どれもこれも、聴くとはなしにぼんやり流していてアッと感じるおなじみのギター・リフなんかが耳に入ってきたときのなんともいえない快感、その刹那思わず笑顔になって、本作だと大半そんなカヴァーだらけだからよろこびが持続するっていうか、トータルで聴き終えて充分な満足感があるんです。

 

このライヴが行われた1990年代にはシックスティーズなロック・クラシックス再評価・回帰機運が顕著でしたし、もちろんあのころはそうしたあたりがどんどんCDリイシューされていたからなんですけど、1950年生まれのトム・ペティにとってはリアルタイムで青春期の情熱を燃やした音楽の数々でもあったはず。

 

じっさいトラヴェリング・ウィルベリーズなんかにも参加していたし、そうしたロック・クラシカルな音楽性はこのひと本来の持ち味に違いありません。このフォルモア・ライヴだとそれがオリジナル曲ではなく、インスパイア源だった古典的カヴァー・ソングで鮮明に表現されているといった感じ。

 

(written 2022.12.11)

2022/12/20

5個入り ベビーガード ドアロック 子供安全ロック 引き出し ドア 扉 キャビネット 窓 戸棚 開閉禁止 180°回転式 簡単操作 赤ちゃん ベビー こども けが防止 指はさみ防止 いたずら防止 地震対策

(20 sec read)

 

コンプリート・ボックス
デラックス・エディション
レガシー・エディション
スーパー・デラックス・エディション
アニヴァーサリー・エディション
コレクターズ・ボックス
エクストラ・ボーナス
オルタネイト・テイク
アルティミット・ヴァージョン
スーパー・ゴールデン・エクストラ

こういうのをサブスクで聴かせないボブ・ディラン

 

(written 2022.12.7)

2022/12/19

AOSJ 〜 リンジー・ウェブスター

(2 min read)

 

Lindsey Webster / Reasons
https://open.spotify.com/album/4Uy2jz9YCDn6yoiK5CxuN4?si=B82KmF78QXSnlR3FX1FL4w

 

萩原健太さんに教わりました。いつもありがとうございます。
https://kenta45rpm.com/2022/12/16/reasons-lindsey-webster/

 

スムース・ジャズ・チャート(on ビルボード)常連の歌手、リンジー・ウェブスター最新作『リーズンズ』(2022)は、アダルト・オリエンティッド・スムース・ジャズみたいなもんでしょうね。ドナルド・フェイゲン/スティーリー・ダン的なサウンドというか。

 

スタイリッシュな音楽で大好きなんですけど、特にホーン・セクションの組み立てとあしらいかたがとってもおしゃれで都会的。幕開けから三曲ジャズが続きますが、4曲目はわりとソウルフル。しかもこれはいはゆるグラウンド・ビート(ソウル II ソウル)です。

 

これを聴いてもわかりますが、グラウンド・ビートって3・2クラーベの感覚が独自のハネとなって活きていますよね。1980年代末から好きできたのはそれも理由なんでしょうか。リンジーのこれでは、その上でさらにランディ・ブレッカーのフリューゲル・ホーン・ソロとケヴ・チョイスのラップまでフィーチャーされているという。

 

かと思うと続く5曲目はスティーリー・ダンそのまんまなナンバー。特にホーン・アンサンブルのカラーなんかは完璧なるコピーともいえる内容で、ひょっとしてフェイゲンがペンをとったんじゃないの的な。ポップなフィーリングもあるし、これも好きだなあ。

 

そもそもがあのへんのフュージョンとかAORとか関連諸方面の音楽は、当時からリズム&ブルーズ〜ソウルに立脚してこそ成立していたわけで、はなからソウル・ジャズだったというか多ジャンル接合的だったもの。

 

そう考えればリンジーの本作も「なんだスムース・ジャズじゃん」とケチをつけられる理由なんてなく、ふんわりメロウでおしゃれな表層サウンドの下に、実は21世紀的新世代感を身につけているというかこの手の音楽はむかしからそうだったというか。

 

11曲目でフィーチャーされているニコラス・ペイトンのトランペットだってなかなか渋くて味があるし、アルバム全体でグルーヴがタイトでソリッド。ふくらみすぎずシャープにまとめているなというのはリンジーのヴォーカルについても言えます。

 

(written 2022.12.19)

2022/12/18

演歌好き

(4 min read)

 

My Favorite 演歌スタンダーズ
https://open.spotify.com/playlist/70noNUpuIMBpidBrXoSTLX?si=ef42455bda8e4176

 

もう間違いないので、臆せず正直に言っておきたい、ぼくは大の演歌好き。邦楽のなかでは圧倒的に演歌がNo.1。17歳で米ジャズにハマって以後は長年遠ざけていたものですけれど、思い出したきっかけはやっぱり2017年にわさみん(岩佐美咲)が好きになって応援するようになったこと。

 

ぼくら世代のジャズ狂なんかが演歌好き、それも根っからのそれだというのを告白するのは、ちょっぴり勇気がいることなんですよ。でもブログなんか演歌関係の記事が増えてきて、こいつそうなんだなと周囲に疑いなく思われているだろうと確信するようになりましたので。そもそもが筆致だって違うもんねえ。

 

演歌聴いてりゃ楽しいんだもんなあ。ぼくが好きと感じる演歌は、2010年代以後的な第七世代じゃなくて、いやそれもマジ好きだけど、もっと古典的な1980年代くらいまでのものがいちばん。都はるみ、八代亜紀、石川さゆり、藤圭子、森進一、北島三郎、そのへんです。

 

そういった演歌なら、聴いて快感で、テーマを見いだし考えて楽しくて、文章書くのもらくちんスムース、すいすい書けて、これ以上ぼくの琴線に触れる音楽があるのか?と思うほど(言いすぎ)。

 

そのあたりすべてサブスク(ぼくのメインはSpotify)にあるっていうのもぼく的には意味の大きなこと。実をいうと生まれてこのかた演歌のレコードやCDを買ったことは一度もないんですね。ヒットしているものはすべてテレビジョンの歌謡番組で聴けましたから。それが17歳までのぼくの音楽ライフでした。

 

それを60歳近くになってとりもどしたっていうのは、もう圧倒的にサブスクの力が大きい。検索すればパッと見つかって、自室でもお散歩しながらでもカフェでもレストランでもクリニックの待合室でも、その場で即聴けるっていうのがどれほど大切なことか。もしサブスクがなかったら、ここまで演歌好きの血が甦らなかったのは間違いないですから。

 

共感しているのはもちろん歌詞部分じゃありません。そっちはですね、いま聴くとどうにもならないっていうか、このジェンダー平等が求められる時代にありえない男尊女卑フィール満載で、そこを意識しはじめたらとうてい演歌なんて聴けません。民謡もそうで、そもそもそうした現代感覚を求める世界じゃありませんから。

 

いいなと思うのは陰影のくっきりしたあざやかなメロディ・ラインとか、おなじみのコード進行とかサウンド・メイクとか、ラテン・ミュージック由来の跳ねるビート感とか。北島三郎の「まつり」だって変形クラーベ(1・2)ですから。

 

歌手もみんなうまいし、発声が鮮明で節まわしも楽しい。これはちょっと…みたいなことをふだんよく言うので好ましくないと思ってんじゃないかとかんぐられていそうなぐりぐり濃厚な強いコブシやヴィブラートだって、きらいなんかじゃなく大好き。八代亜紀のそれなんかよだれが出るくらい。

 

古典演歌好きっていうのは、ひょっとしたら古典落語好きとか、ティン・パン・アリーのアメリカン・ポップ・スタンダードをジャズ系歌手がそのままストレートに歌うのが好きとか、つまり一種の伝統芸能愛好ということかもしれないですね。

 

とにかく演歌は聴いて気持ちよく楽しくワクワクする。それだけ。

 

(written 2022.11.27)

2022/12/17

“The Teddy Wilson expanded” discography

(6 min read)

 

The Teddy Wilson expanded
https://open.spotify.com/playlist/3mlZIEPzdEg5H0CoIhoeBd?si=7d605ac70c694636

 

1 Blues in C Sharp Minor (C 1379-1, Brunswick 7684)

Chicago, May 14, 1936, Teddy Wilson and His Orchestra: Roy Eldridge (trumpet), Buster Bailey (clarinet), Chu Berry (tenor sax), Teddy Wilson (piano), Bob Lessy (guitar), Israel Crosby (string bass), Sidney Catlett (drums)

 

2 Mary Had A Little Lamb (C 1376-1, Brunswick 7663)

ibid., RE (also on vocal)

 

3 Too Good To Be True (C 1377-2, Brunswick 7663)

ibid., TW (also on organ)

 

4 What A Little Moonlight Can Do (B 17767-1, Brunswick 7498)

New York City, July 2, 1935, Teddy Wilson and His Orchestra: Roy Eldridge (t), Benny Goodman (cl), Ben Webster (ts), Teddy Wilson (p), John Trueheart (g), John Kirby (sb), Cozy Cole (d), Billie Holiday (vo)

 

5 Miss Brown To You (B 17768-1, Brunswick 7501)

ibid.

 

6 Warmin' Up (C 1378-1, Brunswick 7684)

Chicago, May 14, 1936, Teddy Wilson and His Orchestra: Roy Eldridge (t), Buster Bailey (cl), Chu Berry (ts), Teddy Wilson (p), Bob Lessy (g), Israel Crosby (sb), Sidney Catlett (d)

 

7 Sweet Lorraine (B 17916-1, Brunswick 7520)

NYC, July 31, 1935, Teddy Wilson and His Orchestra: Roy Eldridge (t), Cecil Scott (cl), Hilton Jefferson (as), Ben Webster (ts), Teddy Wilson (p), Lawrence Lucie (g), John Kirby (sb), Cozy Cole (d)

 

8 Sugar Plum (B 18317-1, Brunswick 7577)

NYC, December 3, 1935, Teddy Wilson and His Orchestra: Richard Clarke (t), Tom Mace (cl), Johnny Hodges (as), Teddy Wilson (p), Dave Barbour (g), Grachan Moncur (sb), Cozy Cole (d)

 

9 It's Like Reaching For The Moon (B 19495-2, Brunswick 7702)

NYC, June 30, 1936, Teddy Wilson and His Orchestra: Jonah Jones (t), Johnny Hodges (as), Harry Carney (cl, bariton sax), Teddy Wilson (p), Lawrence Lucie (g), Jonh Kirby (sb), Cozy Cole (d), Billie Holiday (vo)

 

10 Christopher Columbus (B 18829-1, Brunswick 7640)

NYC, March 17, 1936, Teddy Wilson and His Orchestra: Frank Newton (t), Benny Morton (tb), Jerry Blake (cl, as), Tom McRae (ts), Teddy Wilson (p), John Trueheart (g), Lennie Stanfield (sb), Cozy Cole (d)

 

11 All My Life (B 18832-1, Brunswick 7640)

ibid., Ella Fitzgerald (vo)

 

12 (If I Had) Rhythm In My Nursery Rhymes (B 18613-1, Brunswick 7612)

NYC, January 30, 1936, Teddy Wilson and His Orchestra: Gordon Griffin (t), Rudy Powell (cl), Ted Mcrae (ts), Teddy Wilson (p), John Trueheart (g), Grachan Moncur (sb), Cozy Cole (d)

 

13 Why Do I Lie To Myself About You (B 19497-2, Brunswick 7699)

NYC, June 30, 1936, Teddy Wilson and His Orchestra: Jonah Jones (t), Johnny Hodges (as), Harry Carney (cl, bs), Teddy Wilson (p), Lawrence Lucie (g), John Kirby (sb), Cozy Cole (d)

 

14 Guess Who (B 19499-2, Brunswick 7702)

NYC, June 30, 1936, Teddy Wilson and His Orchestra: Jonah Jones (t), Johnny Hodges (as), Harry Carney (cl, bs), Teddy Wilson (p), Lawrence Lucie (g), John Kirby (sb), Cozy Cole (d), Billie Holiday (vo)

 

15 Here's Love In Your Eyes (LA 1159 A, Brunswick 7739)

Los Angeles, August 24, 1936, Teddy Wilson and His Orchestra: Gordon Griffin (t), Benny Goodman (cl), Vido Musso (ts), Lionel Hampton (vibraphone), Teddy Wilson (p), Allen Reuss (g), Harry Goodman (sb), Gene Krupa (d), Helen Ward (vo as Vera Lane)

 

16 Sailln' (B 20292-2, Brunswick 7781)

NYC, November 19, 1936, Teddy Wilson and His Orchestra: Jonah Jones (t), Benny Goodman (cl as John Jackson), Ben Webster (ts), Teddy Wilson (p), Alan Reuss (g), John Kirby (sb), Cozy Cole (d)

 

17 Right or Wrong (I'm With You) (B 20410-1, Brunswick 7797)

NYC, December 16, 1936, Teddy Wilson and His Orchestra: Irving Randolph (t), Vido Musso (cl), Ben Webster (ts), Teddy Wilson (p), Alan Reuss (g), John Kirby (sb), Cozy Cole (d), Midge Williams (vo)

 

18 Tea For Two (B 20412-2, Brunswick 7816)

ibid., omits MW

 

19 I'll See You In My Dreams (B 20413-1, Brunswick 78169)

ibid.

 

20 He Ain't Got Rhythm (B 20568-1, Brunswick 7824)

NYC, January 25, 1937, Teddy Wilson and His Orchestra: Buck Clayton (t), Benny Goodman (cl), Lester Young (ts), Teddy Wilson (p), Freddy Green (g), Walter Page (sb), Joe Jones (d), Billie Holiday (vo)

 

21 Fine And Dandy (B 20914-1, Brunswick 7877)

NYC, March 31, 1937, Teddy Wilson and His Orchestra: Cootie Wiilams (t), Johnny Hodges (as), Harry Carney (cl, bs), Teddy Wilson (p), Allan Reuss (g), John Kirby (sb), Cozy Cole (d)

 

22 I'm Coming, Virginia (B 21037-1, Brunswick 7893)

NYC, April 23, 1937, Teddy Wilson and His Orchestra: Harry James (t), Buster Bailey (cl), Johnny Hodges (as), Teddy Wilson (p), Allan Reuss (g), John Kirby (sb), Cozy Cole (d)

 

23 Yours And Mine (B 21118-2, Brunswick 7917)

NYC, May 11, 1937, Teddy Wilson and His Orchestra: Buck Clayton (t), Buster Bailey (cl), Johnny Hodges (as), Lester Young (ts), Teddy Wilson (p), Allan Reuss (g), Artie Bernstein (sb), Cozy Cole (d), Billie Holiday (vo)

 

24 I'll Get By (B 21119-1, Brunswick 7903)

NYC, May 11, 1937, Teddy Wilson and His Orchestra: Buck Clayton (t), Buster Bailey (cl), Johnny Hodges (as), Lester Young (ts), Teddy Wilson (p), Allan Reuss (g), Artie Bernstein (sb), Cozy Cole (d), Billie Holiday (vo)

 

25 Mean To Me (B 21120-1, Brunswick 7903)

ibid.

 

26 I've Found A New Baby (B 21220-1, Brunswick 7926)

NYC, June 1, 1937, Teddy Wilson and His Orchestra: Buck Clayton (t), Buster Bailey (cl), Lester Young (ts), Teddy Wilson (p), Freddy Green (g), Walter Page (sb), Joe Jones (d)

 

27 Foolin' Myself (B-21217-1, Brunswick 7911)

ibid., Billie Holiday (vo)

 

28 Coquette (LA 1383 A, Brunswick 7943)

LA, July 30, 1937, Teddy Wilson and His Orchestra: Harry James (t), Benny Goodman (cl), Vido Musso (ts), Teddy Wilson (p), Allan Reuss (g), Harry Goodman (sb), Gene Krupa (d)

 

29 Ain't Misbehavin' (LA 1408 C, Brunswick 7964)

LA, September 5, 1937, Teddy Wilson Quartet: Harry James (t), Teddy Wilson (p), Red Norvo (vibraphone, xylophone), John Simmons (sb)

 

30 Honeysuckle Rose (LA 1431 A, Brunswick 7964)

ibid.

 

31 Just A Mood (Blue Mood) (Part 1) (LA 1429 A, Brunswick 7973)
32 Just A Mood (Blue Mood) (Part 2) (LA 1430 A, Brunswick 7973)

ibid.

 

33 You Can't Stop Me From Dreamin' (LA 1405 B, Brunswick 7954)

LA, August 29, 1937, Teddy Wilson and His Orchestra: Harry James (t), Archie Rosati (cl), Vido Musso (ts), Teddy Wilson (p), Allan Reuss (g), John Simmons (sb), Cozy Cole (d)

 

34 When You're Smiling (B 22194-3, Brunswick 8070)

NYC, January 6, 1938, Teddy Wilson and His Orchestra: Buck Clayton (t), Benny Morton (trombone), Lester Young (ts), Teddy Wilson (p), Freddy Green (g), Walter Page (sb), Joe Jones (d), Billie Holiday (vo)

 

35 I Can't Believe That You're in Love with Me (B 22195-4, Brunswick 8070)

ibid.

 

36 Don't Be That Way (B 22613-1, Brunswick 8116)

NYC, March 23, 1938, Teddy Wilson and His Orchestra: Bobby Hackett (cornet), Pee Wee Russell (cl), Tab Smith (as), Gene Sedric (ts), Teddy Wilson (p), Allan Reuss (g), Al Hall (sb), Johnny Blowers (d)

 

37 If I Were You (B 22822-2, Brunswick 8150)

NYC, April 29, 1938, Teddy Wilson and His Orchestra: Bobby Hackett (co), Jerry Blake (cl), Johnny Hodges (as), Teddy Wilson (p), Allan Reuss (g), Al Hall (sb), Johnny Blowers (d), Nan Wynn (vo)

 

38 Jungle Love (B 22825-2, Brunswick 8150)

ibid, omits NW

 

(written 2022.12.4)

2022/12/16

ぼくのヴィンテージ・ジャズ愛 〜 The Teddy Wilson expanded

(4 min read)

 

The Teddy Wilson expanded
https://open.spotify.com/playlist/3mlZIEPzdEg5H0CoIhoeBd?si=bc0d487eb5e546ec

 

かつてCBSソニーから発売されていたLP二枚組『ザ・テディ・ウィルソン』をもとに自作した2018年7月末のSpotifyプレイリスト『The Teddy Wilson expanded』がそこそこ好評だというのを実感しています。この手の1930年代ジャズとしては異例の10個ライクがついていますから。

 

CBSソニー盤の二枚組レコード『ザ・テディ・ウィルソン』(何年発売だっけ?)とその収録全33トラック32曲にかんしては、以下の過去記事をごらんください。すべて書いてあります。
https://hisashitoshima.cocolog-nifty.com/blog/2018/08/post-5fcf.html

 

なぜ自作プレイリストかって、そりゃLP『ザ・テディ・ウィルソン』は日本でしか発売されず、その後は一度もCDリイシューされていないし配信なんかにもちろんないんですよ。だけど二枚組のソースになっていたSP音源じたいはサブスクにあるからっていうんで、一曲一曲ひろっていってつくりました。

 

そうしたいほど1930年代スモール・コンボ編成のスウィング・ジャズが大好きで大好きでたまらなく、そのなかでも『ザ・テディ・ウィルソン』こそ最愛好だったというか、そもそもぼくがヴィンテージ・ジャズ愛をいだくようになった大きなきっかけがこのレコードでした。

 

いまではもうすっかりサブスク生活が板についているので、なんとかそっちでも同じのが聴けたらいいな〜っていう、そういう個人的な動機で作成し公開したら思いのほか好評で、『ザ・テディ・ウィルソン』なんていまだ忘れられないのは自分だけなんじゃないかと感じていたところ、あんがいそうでもなかった。うれしい。

 

それをベースにして個人の趣味で『拡大版』に追加したのはビリー・ホリデイの五曲。いずれもビリーのアルバムに収録されているがため『ザ・テディ・ウィルソン』には選出されなかったんですが、もとのセッションも当時のSPレコードもテディ・ウィルスン名義の同一ですからね。ビリーの歌がことさらいいものだけ選って分けたという事情でしかないので。

 

それらだってビリーのヴォーカルはほかのもの同様1コーラスだけ、残りは楽器演奏で、そこが極上な逸品をみすみす除外する理由なんてぼくには見つかりませんでした。テディのピアノはもちろんベニー・グッドマン(cl)やレスター・ヤング(ts)など名演ぞろいですから。

 

こういうの、大学生のころから好きだった音楽ですが、ここのところ熱が再燃しているのはあきらかに近年のレトロ・ジャジーなポップス大流行の波にぼくも完全に乗っているからです。そうした最近の歌手たちはみんな1920〜40年代スタイルのクラシカルなジャズに範をとっていますからね。

 

そういった新作音楽をどんどん聴いているうち、(ぼくのなかで)元祖的な存在だったともいえる『ザ・テディ・ウィルソン』みたいなアルバムのことも思い出すようになり、こっちは当時のレコーディングがそのまま生きているわけですからレトロというよりヴィンテージといったほうが正確なんですが、愛好心情としてはレトロな感覚もあるんです。

 

※ 『The Teddy Wilson expanded』、ディスコグラフィーは明日

 

(written 2022.12.4)

2022/12/15

うつがひどいころ、こうだった

写真は2011年のもの

 

(1 min read)

 

・食べられない寝られないは基本
・汗がくさい
・寒い(夏でも)
・咳が出る
・あくびもなぜか
・なにもかもめんどくさく感じられ、ひたすらボンヤリだらだらしている
・仕事がうまくできなくなる、失敗だらけ
・音楽が聴こえづらいので音量が上がる
・口のなかが乾く
・飲食物の味がヘン or わからない
・においもあまりわからず
・熱いものを飲んだり食べたりできない
・食欲とは違うナゾの空腹感はある
・けど調理中 or 完成した料理を眼前にするとオェッとなってしまう(えずく)
・ゆっくりならそこそこ食べられる
・朝ごはんはまずムリ
・食べたものの消化に時間がかかる
・食後の歯磨きでえずく、ばあいによっては戻してしまう
・体重が増える
・歯磨き、洗顔、ひげそりができなくなる(のでお風呂タイム以外でやらなかった)
・何時にしようと決めても、お風呂になかなか入れない
・部屋のそうじができない

・発症するにも回復するにも時間がとてもかかる

 

(written 2022.12.7)

2022/12/14

ナベサダ in 南ア 〜 マッコイ・ムルバタ

(2 min read)

 

McCoy Mrubata / Hoelykit?
https://open.spotify.com/album/4ogL5p7CSOR7rDWvnUPcN0?si=ed5QXQN3TUSMG-elwqJC2g

 

bunboniさんのご紹介で知りました。感謝ですね〜。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2022-11-27

 

っていうのは1曲目がもろ「オレンジ・エクスプレス」そのものじゃないかっていうことだけじゃありません。マッコイ・ムルバタ(南アフリカ)の『Hoelykit?』(2000)は全体的にフュージョン・アルバムだと思うんですよね。

 

それも渡辺貞夫さんが『マイ・ディア・ライフ』でポップ・フュージョン路線に転向するちょっと前、1970年代前半〜なかごろにやっていた音楽にそっくり。フュージョンというのはもちろんジャズとアフリカ音楽の、ってことです。

 

いうまでもなくマッコイが貞夫さんっぽいというのは順序が逆であって、こうしたアフリカン・ジャズがまずあって、なんどかの現地訪問でそれを学んだ貞夫さんが自分の音楽にとりいれたということ。マッコイの本作も南ア・ジャズの伝統を受け継ぎ、現在活況の同国新世代ジャズ・シーンへとそれをつなげた傑作でしょうね。

 

個人的に特にグッと胸に迫るのは終盤8曲目からの三連続。ジャズ〜フュージョンらしさ満開で、貞夫さんがどのへんのアフリカン音楽から吸収したかモロわかりな、つまり言い換えればぼくみたいに貞夫フュージョンからまず聴いていたファンには既聴感ばりばりで、親しみやすく。

 

なかでも8曲目での熱いジャジーなソロの連続にはトキメキます。4/4ビート・パートと8ビート・パートを行き来するリズム・アレンジもいいし、その上でフリューゲル・ホーン、サックス、ピアノ三名のソロもはじけています。ピアノのアンディル・イェナナは印象に残ったので、名前をおぼえておきましょう。

 

世界的にみても1980年代のフュージョン・ミュージックが多ジャンル混淆的な21世紀新世代ジャズのいしずえを築いたことは明白なんですが、マッコイの本作も、現在の南ア新世代ジャズの活況を考えるとき、その先駆けとなったことは疑えないですね。そんなこと言わなくたって、これじたい楽しいですし。

 

(written 2022.12.7)

2022/12/13

ウェザー・リポート in バイーアみたいな 〜 レチエレス・レイチ

(2 min read)

 

Letieres Leite Quinteto / O Enigma Lexeu
https://open.spotify.com/album/52Vs6AyLKN7Fzw22WKsUzl?si=4mEOIBeaRzqypZ6j9PuSqg

 

ブラジルの故レチエレス・レイチ。キンテートでの2019年作『O Enigma Lexeu』は<ウェザー・リポート in バイーア>みたいなアフロ・ブラジリアン・フュージョンの傑作だっていうんでおおいに胸をおどらせて聴いてみたら、違わぬ内容でたいへん感動しました。

 

作編曲のレチエレスが管楽器を担当するほか、鍵盤、ベース、ドラムス、パーカッションというバンド編成。特にパーカッショニスト(ルイジーニョ・ド・ジェージ)の存在が大きいと、本アルバムを聴けばわかります。まさにバイーア的というかアフロ・ブラジリアンなリズムの躍動と色彩感を表現しています。

 

最初の二曲はおだやかな70年代初期リターン・トゥ・フォーエヴァー路線のピースフルなものなのでそのへんイマイチわかりにくいんですが、3曲目からがすばらしい。その「Patinete Rami Rami」なんかのけぞりそうになるほどのリズムの祝祭感で、これホントにパーカッショニスト一人だけ?と疑いたくなってくるくらいリッチでカラフル。

 

その後は終幕までずっとそんな感じで、たしかにこりゃバイーアで録音されたウェザー・リポートだっていうおもむきです。もちろんジョー・ザヴィヌルだって、特に70年代中期以後は中南米やアフリカの音楽にしっかり学んで吸収していたんですが、ここまで本格的なのはさすがブラジル当地のミュージシャン。

 

レチエレスのフルートやサックス、ルイジーニョの超人的なパーカッション技巧にくわえ、マルセロ・ガルテルのピアノやフェンダー・ローズも好演。和音楽器を使わないバンドもやっていたレチエレスですが、今作では自由に弾かせてアルバムのキー・ポイントになっています。

 

2019年に知っていたら、間違いなくその年のベスト5に入った傑作でしょうね。

 

(written 2022.11.29)

2022/12/12

充実のラテン・アメリカン・フュージョン 〜 アレックス・アクーニャ

(3 min read)

 

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御多分に洩れずウェザー・リポートで知ったペルー出身のドラマー、アレックス・アクーニャ。1980年代なかごろには一度渡辺貞夫さんの全国ツアーに参加して活躍、それも印象的でよく憶えています。

 

17年ぶりの個人リーダー名義新作『ギフツ』(2022)は、やっぱり基本ウェザー・リポートっぽい “あのころ” のフュージョンが中心。こうした音楽をリアルタイムからずっと聴いてきましたが、当時あんだけボロカス言われたのがいまではすっかりクラシカルに響くっていうのはおもしろいですね。

 

フュージョンもそれなりに貫禄が出てきたということか、本作でも聴けるアレックスあたりの姿勢、不動のドラミングなど聴いていれば、決して軽視したり無視したりしていい音楽じゃないぞとわかります。すくなくともぼくは当時からのフュージョン・ラヴァーで、いまだその愛好はしぼみません。

 

新作はドラムス&パーカッションのアレックスのほか、鍵盤(ベネズエラ)、ギター(ペルー)、ベース(プエルト・リコ)、サックス(ペルー)、トランペット(USA)が基本編成。曲によりチェロやバック・ヴォーカリストも参加しています。ラテン・アメリカン・フュージョンとでもいえる布陣でしょう。

 

聴き進み、3曲目でオッ!となりました。なんとキャノンボール・アダリーのゴスペル・ジャズ・ナンバー「マーシー、マーシー、マーシー」なんですよね(ここでは「マーシー、マーシー」と記載)。やっぱりウェザー・リポート時代の恩返しっていうかコンポーザーである故ジョー・ザヴィヌルへのトリビュート的な意味合いなんでしょうか。

 

ラモン・スタグナロのファンキー&ブルージーなギター・プレイが目立っているできあがりで、これもいいなあ。エレピが弾く例のアーシーでキャッチーなリフはそのままに、キャノンボール・ヴァージョンに比しぐっと明るいポップさを増した印象で、宗教的敬虔さみたいなのは消えていますが、軽やか&さわやか。

 

アルバムにはもう一つ有名ジャズ・ナンバーがあって、7曲目「ワン・フィンガー・スナップ」。ハービー・ハンコックのオリジナルからガラリ様変わり、4/4拍子パートも適宜おりまぜながらのポリリズミックなパーカッション陣が活躍するラテン・フュージョンにしあがっているのはビックリ。

 

また「マーシー、マーシー、マーシー」の次に来る4曲目は、哀切なハーモニカ・サウンドがメロディをつづる美メロ・バラード。それに続く5曲目はストレート・フュージョンのようにはじまりますが、中盤でなぜか突然トレスが炸裂、その後は一転して歌も入るキューバン・サルサに展開するっていう。

 

その他聴きごたえがじゅうぶんあって、しっかりしたさわやか満足感を残す充実の内容。いままでのアレックスのソロ・アルバムのなかでみてもいちばん納得のいく内容ではないでしょうか。

 

(written 2022.11.26)

2022/12/11

これまたレトロ・ジャズ・シンガーの新星 〜 ヘイリー・ブリネル

(3 min read)

 

Top Tracks for Hailey Brinnel
https://open.spotify.com/playlist/5pxcmYsW6Xn1SmQsx1WmMo?si=1f59c442a4cb4290

 

ビートルズの「アイル・フォロー・ザ・サン」をコントラバス一本で歌っているのに偶然出会い、それがチャーミングなので好きになり、検索してどんどん聴くようになったヘイリー・ブリネル。米フィラデルフィアを中心に活動している音楽家みたいです。

 

Spotifyで聴けるものをすべて聴いてみたら、ヘイリーは1920年代ディキシーランド・ジャズのスタイルを(いまどき)フルに実現していて、自身はトロンボーンとヴォーカル。アルバムはまだ一つしかないんですが、シングル単位でサブスクにそこそこあります。

 

公式ホームページがあって、それの「Music」の項で見えた『Top Tracks for Hailey Brinnel』というSpotifyプレイリストがとってもいいんですが、でもそのHP専用ということか自分でさがしても見つけられなかったので、同じになるようにサービス内で作成しなおしたのがいちばん上のリンク。

 

ぜひこれで聴いてみてほしいんですが、いかにヘイリーがレトロ・スタイルの持ち主かってことを。それを2020年代に再現しているからストレートに100年さかのぼった感じですよね。

 

レパートリーも、ビートルズは例外的に新しいほうで、ほかはティン・パン・アリー系のスタンダードや似たような知られざる古い曲ばかり。バック・バンドの演奏だって完璧オールド・スタイルで、ヘイリーの指向を汲んでいるんでしょうね。

 

トロンボーンのほうが本分なのか歌の音程はややあいまい気味だったりするケースも散見されますが、「I’m Forever Blowing Bubbles」(これは唯一のアルバム題にもなっている)後半での展開とか、なんたって「Show Me the Way to Go Home」のオールド・スタイルなすばらしさとか、いずれもダヴィーナ&ザ・ヴァガボンズが出てきた約10年前を連想させる古風なサウンド。

 

ダヴィーナはいま考えたら登場がちょっと早かったというか、こんなにもレトロ・ジャズが時代の潮流になってくる前にシーンに出現したもんだから、あのころは一部好事家のあいだでしか話題になりませんでしたよね。

 

そこいくとヘイリー・ブリネルは時代の流れに乗ってノスタルジーをふりまきながら現れたので、もちろんまだほとんど知られていないという存在ではありますが、このまま順調に活動を続けてほしいと思っています。今後を見守りたい存在。

 

レトロレトロといったって、ポップ・ヴォーカル、歌ものの世界はむかしからそんな大きく変わっているわけじゃなく、ジャジーな生演奏でやるかぎりはずっとこんなスタイルがエヴァーグリーンで来たんだとみることもできますし、いまでも生きる不変の楽しさをヘイリーだって表現しているだけかもしれませんしね。

 

(written 2022.12.6)

2022/12/10

躍動的な新世代ブラジリアン・リリシズム 〜 アレシャンドリ・ヴィアーナ

(2 min read)

 

Alexandre Vianna Trio / Música para Dar Sorte
https://open.spotify.com/album/5aFx0XIgAbce9ZuVQkNReI?si=DvFzJ8LsRfW97-C7tmwLUA

 

ブラジルはサン・パウロのジャズ・ピアニスト、アレシャンドリ・ヴィアーナのトリオ最新作『Música para Dar Sorte』(2022)がすばらしい。近年のサン・パウロはブラジルというより南米随一のジャズ都市で、いい音楽をどんどん産み出していますよね。

 

アルバム・タイトルになった7曲目にも典型的に表れているように、伝統的なジャズ・サンバをモダナイズしたような内容になっているのが大の好み。躍動的なビート感と、それでいて決して荒くはならないおだやかさ、上品さが同居しているのはとってもいいです。

 

紹介していたディスクユニオンの説明ではキース・ジャレットなどの美メロ系ということも書かれてあったんですけど、ジャレットがどうにもイマイチだからそれでは惹かれず。たしかにアレシャンドリも歌うような抒情派っていうかリリシズムがピアノ・プレイの持ち味なので、その意味では納得です。

 

そんなリリカルな部分がうまい具合に現代的ジャズ・ビートで昇華されていて、ぼくの耳にはイキイキとした泉のように水がこんこんと湧き出てくるようなグルーヴ感こそが印象的なアルバムで、ドラマー(ラファエル・ロウレンソ)の活躍もみごとだと思えます。

 

そのへんのバランスっていうか美メロ・リリシズムと(ジャズ・サンバ由来の)躍動感の融合に最大の特色があるジャズ傑作アルバムじゃないでしょうか。

 

(written 2022.11.24)

2022/12/09

給食がぼくのトラウマだった

(3 min read)

 

高校生になったら昼食はお弁当になりましたから悩みから解放されたんですが、小中学校のときは強制的に給食で、ぼくは偏食人間だったからお昼ごはんタイムが憂鬱でした、毎日。食事って楽しいもののはずなのに、つらかった。

 

なにが食べられなかったの?なんて、そ〜りゃとにかくいっぱいあったから説明なんてできません。とにかくとんでもない偏食人間でした(いまはちょっとマシになっていると思う)。だれでも多少食材や味つけの好嫌はあると思うのに、学校価値観の世界では<偏食 = ダメ、許されない>となってしまいます。

 

献立表があってあらかじめ決まった固定メニューを必ず残さず食べなくてはならない、食べなかったらその日の昼食は抜きということになってしまう学校給食の世界ってなんなのか?小学生なりに不思議というかある種の理不尽さ、不条理を感じていました。

 

あんなにも給食タイムが苦痛だったのは、食べられないものが多く出たからっていうことより以上に、なにより小学校時代の担任教師の給食指導法に大きな原因がありました。いま考えたら指導や教育でもなかったと思うんですが、強く叱られて、食べないお皿を手に持たせ教室の後ろにずっと立たせるんです「食べるまでそのまま立っていろ」と言って。

 

ときどきは他クラスの生徒にも見せつけるように(すっかり冷えたお皿を持ったまま)教室の外の廊下に立たせ、午後の授業に参加させてもらえず、放課後になってみんなが下校しても帰してもらえず、じっと立たせたままだったりもしました。お皿じゃなく水の入ったバケツを持たされたことだってあります。おかしいでしょう。

 

ぼく世代が小学生のころは、旧日本軍式で育った年配教師がまだ残っていて、そんなやりかたがひろく学校現場で行われていましたよね。前段で書いたような方式がそうなんだというのは小中学校も卒業してのち、テレビ・ドラマとかで戦中事情を描いたものを見るようになって、「あぁこういうことか」と理解するようになったからです。

 

そんな懲罰方式で苦手なものを食べられるようになるわけもなく、ってかそもそも偏食って大人になってからですらだれかに指導されてなおるものなんかじゃないし、だれだって多少の偏食はあるし、ぼくはその程度がひどくきわだっていたんで目をつけられていたんですけど、だから学校給食というシステムじたいが非人間的でしょうね。

 

飢餓状態にあっても口をつける気にならないものを、いくらおいしいからと周囲に言われても、教師にどんな指導をされても、食べられるようになんかなんないです。歳を重ね食の嗜好が変化したので、ナチュラルに偏食傾向が自動修正されるようになってきているのであって、学校における押しつけ教育はほんとうによくない。

 

(written 2022.11.12)

2022/12/08

ジャズとリズム&ブルーズのクロスするあたりで 〜 ハロルド・ヴィク

(3 min read)

 

Harold Vick / Steppin’ Out
https://open.spotify.com/album/7HqkMvgztRqpBLNntKb9wb?si=Bi8ivnJDQ5WTRe8M4AkVPQ

 

ジャズとリズム&ブルーズをまたにかけて活動したテナー・サックス奏者、ハロルド・ヴィク。そのブルー・ノートに残した唯一のリーダー名義作『Steppin’ Out』(1963)も、こないだレーベルの公式ソーシャル投稿で知りました。

 

この『ステッピン・アウト』、なんとパーソネルがボス以下、ブルー・ミッチェル(tp)、グラント・グリーン(g)、ジョン・パットン(or)、ベン・ディクスン(dr)なので、以前書いたビッグ・ジョン・パットンのアルバム『オー・ベイビー!』(65)と同じなんですね。

 

同一セッションから二作に分割してリリース時の名義だけ変えたというんではなく、ハロルドのほうが二年ほど先に録音していますけど、正直言ってこのメンツで60年代前半のブルー・ノート・ジャズとくれば、中身は聴かずとも知れたようなもの。似たようなメンバーでの録音があのころ山のようにありました。

 

ハロルドの本作も、一曲だけスタンダード・バラードの「ローラ」をやってはいるものの、それ以外はリーダー作となっているシンプルなリフ・ブルーズばかり。近年ジャズとブルーズとの切断が声高に言われますが、新世代ジャズがどうあれ、ぼくなんかいまだこうしたソウルフルなハード・バップ・ブルーズが大好き。

 

そんなわけですから、音楽内容としてはべつにとりたててどうということもなく、このブログでもいままでさんざん書いてきたことのくりかえしになってしまうので省略。いやあ〜、ほ〜っんとにハード・バップでのブルーズってどうしてこんなに楽しいのでしょうか。

 

歴史をたぐってみれば、モダン・ジャズというかビ・バップはジャンプ・ミュージックが産みの親。そしてジャンプはその直前のカンザス・シティ・ジャズの亜種だったんですから、ってことはハード・バップ(and リズム&ブルーズ)だってカウント・ベイシーらのやったああいったブルーズ・ジャズが直系の祖父にあたるわけですからね。

 

本作で一曲だけブルーズではない3「ローラ」にしたって、パットンの弾く雰囲気満点のメロウ・オルガン・サウンドに乗せてテナーがスウィートにメロディをつづる様子を聴いていれば、これだってリズム&ブルーズ・バラードと同種のものだとわかります。

 

ってことで、ジャズとリズム&ブルーズの両方に足を入れていた、特にサックス奏者はあのころ多かったし、ハロルド・ヴィクの本作もそんな系譜につらなる一作に違いありません。

 

(written 2022.11.18)

2022/12/07

グルーヴを先導するヴォーカル 〜 ロイ・エルドリッジ、エラ・フィッツジェラルド

(2 min read)

 

Roy Eldridge, Ella Fitzgerald / In Concert
https://open.spotify.com/album/0gDNj4H7FieXskNfF9Imhn?si=g2MuPFzmRgqiXpdcuWbRrg

 

ロイ・エルドリッジ&エラ・フィッツジェラルドの未発表発掘ライヴ音源を収録したアルバム『イン・コンサート』(2022)は1959年5月21日のコペンハーゲン・ライヴ。全11曲のうち冒頭二曲がロイ、3曲目以後はエラをフィーチャーし、バンドは同一です。

 

ロイの二曲にはビ・バップっぽさがただよっていて、このトランペッターはスウィング・ジャズ時代後期の存在ということになっているわけですが、なかなかどうして鋭角的に斬り込むシャープな吹奏ぶりにはモダンさを感じます。特に2曲目「ロイズ・リフ」(曲題だってビ・バップ的)。

 

もちろんビ・バップの先駆者とみなされることもあるし、じっさいディジー ・ガレスピーあたりにも大きな影響を与えたので、新時代にはこうした演奏だってときにはくりひろげたということなんでしょうね。代理コードの使いかたなど和声面でもモダンさが聴きとれます。

 

3曲目以後のエラ。個人的にグッとくるのはやはり急速調でスキャット・インプロをかましまくるもの。8曲目「オーライト、オーケイ、ユー・ウィン」と11「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」がなかでもきわだっています。後者なんかまずおだやかなテンポで出てワン・コーラス歌ったとたんドラマーの威勢いいフィル・インを合図に突如快速にギア・チェンジ。

 

スキャットばかりでなく歌詞も自在に変化させながら好きなように自由に思うがままのラインを歌いこなす技巧には舌を巻くものがあります。スウィンギーというか猛烈にドライヴしていて、エラのヴォーカルこそがそれを先導しあおっているのが聴いているとよくわかりますよね。

 

そうしたブレイン・ブロウイングなナンバーがあるかと思えば、4、9、10曲目などゆったりしたテンポでしっとりとつづるメロウ・バラードでの表現もすばらしく、その他50年代らしくキューバン・リズムをとりいれているものだって余裕で聴かせるし、ほんと文句なしのトップ・ジャズ・ヴォーカリストでしたね。

 

(written 2022.11.14)

2022/12/06

マイルズの知られざる好作シリーズ(4)〜『イン・パーソン、フライデイ・ナイト・アット・ブラックホーク』

(3 min read)

 

Miles Davis / In Person, Friday Night At the Blackhawk, San Francisco, Volume I
https://open.spotify.com/playlist/2gDinlJa9TevAPKk1h6Nvw?si=67f5e58853f74cc3

 

マイルズ・デイヴィスが生涯で率いた全バンドちゅう、いまとなってはいちばん好きかもしれないとすら思う1961年バンド。ハンク・モブリー、ウィントン・ケリー、ポール・チェインバーズ、ジミー・コブ。

 

このバンドになったのがいつか、正確なことなんてわかりようもありませんが、ジミー・コブは『1958マイルズ』になった音源を録音した58年5月のスタジオから参加していたし、『カインド・オヴ・ブルー』の59年3、4月セッションではもうすでにウィントン・ケリーがレギュラーでした(が、あのときだけ例外的にビル・エヴァンズを呼びもどした)。

 

ハンク・モブリーはアルバム『サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム』になった61年3月セッションがマイルズ・バンドでの初録音。これでラインナップが整ったわけですが、このバンドでそのまま続く4月にサン・フランシスコのブラックホークに出演した記録二日間のうち金曜ぶんがきょう話題にしたいアルバム『イン・パーソン、フライデイ・ナイト・アット・ブラックホーク』(1961)です。

 

どこがそんな「生涯の全バンドでもいちばん好きだ(いまでは)」といえるほどなのかっていうと、極上のリラックス感と熟練のまろやかな職人芸的スウィンギーさがよく出ているところ。小さなクラブにコロンビアが大かがりな機材を持ち込んでやりにくかったなどとマイルズは述懐していましたが、どうしてどうして中身はすばらしい。

 

この61年バンドの特質は以前も『サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム』の記事のときにも書きましたが、おだやかで平坦な日常性、インティミットなアット・ホーム感がサウンドに鮮明に出ているところにあるなというのがぼくの見解です。マイルズといえばテンションの強い張り詰めたような音楽性が売りではありましたが、いまのぼくにはリラクシングな日常的音楽のほうが心地いいんです。

 

そんな嗜好で選べば、マイルズの残した全ライヴ・アルバムでもいちばんといえるのがこれ。おなじみのレパートリーが並びますが、1曲目のブルーズ・チューン「ウォーキン」でも、たとえば世紀の傑作と名高い『’フォー’&モア』(1966)ヴァージョンと比較すれば、いはんとするところはわかっていただけるはず。その間三年、バンドが変わればボスもその音楽性も変わるっていう、そんなトランペッターだったことは以前も書きました。

 

『フライデイ・ナイト・アット・ブラックホーク』、ここまでまろやか&明快で歯切れよくスウィングし間然しない内容なんですから、正直いって名作、傑作の一つに数えてもいいんじゃないか、間違いないぞと、だれもそういわないですけど、ぼくはそう断言したいですね。

 

(written 2022.10.8)

2022/12/05

演歌はハレ、歌謡曲はケ

(2 min read)

 

柳田國男の「ハレ」と「ケ」にしたがえば、演歌はハレ、歌謡曲はケ。ハレとは簡単にいって非日常性、ケとはふだんの日常で、演歌はどう考えてもお祭りなどに類するケバケバしい非日常の世界でしょう。

 

特にスタンダードな古典演歌の世界でこれがいえるはず。歌詞もメロディもサウンドもヴォーカルも浮世離れしているっていうか、歌謡曲が日常の生活感覚に根ざしたものなのに比べたら、演歌はどこまでも派手で飾った世界。

 

アメリカン・ミュージックでいえばティン・パン・アリー、それが演歌で、庶民のふだんの生活とはだいぶ違う感覚に立脚しているんですよね。大衆音楽の世界では日常の生活感覚に根ざした音楽こそ自分たちに寄り添うもので、なんというか「すばらしい」のであるという認識が一般的ですが、好みはまた別。

 

つまり個人的にどっちが好きかっていうと、ぼくは圧倒的にティン・パン・アリーや演歌。むろん演歌のなかにも日常性はあるし、歌謡曲だって浮世離れしたような世界観を持つものがありますが、おおむね差があると思うんですよね。厳密な境界線は引けないにせよ。

 

いってみれば夢を見るような世界が演歌であって、つらいけど淡々と現実を直視しようというものじゃないんですよね。だから歌詞もサウンドもヴォーカル・スタイルもドラマティックで激しく強いんです。一般の聴き手はいっときの逃避願望をそこで実現するっていうか、現実をちょっと忘れて気を紛らわせて、またしんどい日常に戻っていく、だからハレなんですよね。

 

そういった世界観には感情移入できないという音楽家やリスナーもそこそこいるはずで、演歌界も近年若手第七世代に代表される日常のストレート&ナイーヴ・フィーリングを大切にした淡白なものが出はじめるようになっているのは、旧来的なハレ演歌からの脱却なんだとみることもできますね。

 

(written 2022.11.23)

2022/12/04

ブラジリアンスなアシッド・ジャズ 〜 クリス・バングズ

(2 min read)

 

Chris Bangs / Samba do Sueno / Soccer Samba
https://open.spotify.com/album/371t2jPLTRAev26iwW88Ey?si=ZkDzC65ZQ1qw3uU1jRt68A

 

クリス・バングズはUK出身のDJ / プロデューサー。1980年代からクラブ・シーンで活躍し、アシッド・ジャズ系でブレイク。それがポール・ウェラーを通じてミック・タルボットとのプロジェクトに発展し、特にヨーロッパ、オーストラリア、日本で人気を獲得しました。

 

そんなクリスの新曲がこないだ出ていましたね。「サンバ・ド・スエニョ」「サッカー・サンバ」の二曲(2022)。ジャケットからして7インチ・シングルの両面なんでしょう。そのジャケットをよく見ると、どうやらこれらは来たるニュー・アルバム『ファイアーバード』からの先行トラックみたい。

 

二曲のうち、カル・ジェイダー「サンバ・ド・スエニョ」のカヴァーがとにかくカッコよくて、これだけちょろっと聴いて惚れちゃいました。1980〜90年代アシッド・ジャズ〜レア・グルーヴの時代にカルみたいなノリいいラテン・ジャズは注目されていましたからね。

 

だからクリスみたいな音楽家としてはカルをいままたとりあげるのにじゅうぶんな理由があります。今回のこのカヴァーも完璧フロア向けっていうか、こういう100%アシッド・ジャズみたいなの、やっぱぼくは好きなんですね、どうもアンテナがピンと張るっていうか、これだよこれっていう気分で。

 

曲題どおりサンバというかブラジルふうを意識したのはカルのオリジナルからそうでしたが、今回のクリスのカヴァーはそれをほぼ忠実になぞりつつ、よりダンス・フィールを鮮明にし強化したという感じです。おしゃれだしカッコいい。あくまでブラジル「ふう」だけど。

 

「サッカー・サンバ」のほうもブラジリアンスで、こっちはホイッスルと打楽器しか使われていません。スタジアムの歓声みたいなのもサンプリングされていて、曲想といいサッカーの現場感をムードとして出そうとしているんでしょう。

 

(written 2022.11.30)

2022/12/03

今年は知世ばかり聴いた 〜 SpotifyWrapped 2022

(3 min read)

 

Your Top Songs 2022
https://open.spotify.com/playlist/37i9dQZF1F0sijgNaJdgit?si=f6e6861053e94aa3

 

今年も出ましたSpotifyWrapped(Spotifyまとめ)によれば、2022年のぼくは原田知世ばかりくりかえしくりかえし聴いたみたいです。主観的実感とすこし違うっていうかこんなに聴いたっけ?と不思議な気分もしてくるくらいですが、データは正直ですよね。

 

とにかく上掲スクショのとおり今年は合計14,939分も知世を聴いたそうですから。約497時間。平均で毎日一時間以上聴いている計算です。そしてこれはSpotifyで知世を聴いているリスナー中上位0.005%に入る数字らしいので、こりゃもうほぼ一位じゃんね。

 

最大の理由は昨年12月28日にプレイリスト『ベスト of 伊藤ゴロー produces 原田知世』を作成したことに違いありません。自賛もあれですがよくできているんですよね。じっさい好評だったし、その付近からレトロ&オーガニック指向なポップスが個人的にもトレンドになっていましたが、流れにこのうえなくピッタリはまりました。
https://open.spotify.com/playlist/3r71Pfsc3i5TEG8Olz6fRP?si=541823f94a954e82

 

このプレイリストを今年はなんどもなんども聴いたので(なんたって気持ちいいからヤミツキ)その結果の知世イヤーになったというわけ。伊藤ゴローがプロデュースする知世こそ、今年のぼくの最愛好音楽に違いありませんでした。

 

そんなわけで年間いちばん聴いた曲も、そのプレイリスト1曲目に選んでおいた「青空の月」(『noon moon』2014)。198回聴き、うち1月19日に最も再生したという事実が、上記のような事情を明白に裏付けていますよね。

再生回数トップ五曲も、一つ岩佐美咲があるほかは四曲すべて知世で、こんなこといままでなかったよなあ。

トップ・アーティスト五人は、知世以下マイルズ・デイヴィス、テレサ・テン、孙露、ルーマーで、これはたしかに実感があります。テレサが三位だけどそんな聴いてんの?と思われそうかもですが、孙露(すんるー、中国大陸)に惚れちゃったのもきっかけで。

なんだかんだいってジャズがいちばん好きなぼくですが、演歌聴きの血がここまで復活しているのも今年の特徴でしょう。五位にヴォーカル・ジャズが来ていますが、これも近年のレトロ・ジャジーなポップス流行によるもの。ロック勃興前の爛熟黄金時代こそぼくの最愛好分野ですから。

なにもかもあわせてのトータルでは30万1千262分聴いたということで、途方もない数字だよなあと自分でも思うとおり、日本のSpotifyリスナー全体の99.9%よりも多いっていうデータ解析。一日あたり約13時間は音楽を楽しんでいます。毎年ずっとこんな感じの人生。

 

(written 2022.12.3)

2022/12/02

ソノラの国境沿いから 〜 リンダ・ロンシュタットほか

(2 min read)

 

v.a. / Feels Like Home: Songs from the Sonoran Borderlands ~ Linda Ronstadt’s Musical Odyssey
https://open.spotify.com/album/5l5aIt3uKxZsMmU3vO4SBP?si=iEOSb5SjQvWUMpe-CDvhDQ

 

米西海岸で活躍したリンダ・ロンシュタットが育ったアリゾナ州南西部メキシコ国境地帯ソノラでの思い出を、歌でつづる回顧録みたいに仕上げたのが本作『フィールズ・ライク・ホーム:ソングズ・フロム・ザ・ソノラン・ボーダーラインズ』(2022)。

 

これが最高なんですよね。USAとメキシコがクロスするあたりのもの、西海岸の音楽家はむかしからとりくんできたものですが、ここではリンダの叙事詩っぽい個人的感慨もこもった音楽になっているということで、いっそう胸に迫ってくるものがあります。リンダがここまでラテン・ルーツを歌で表現したのは初めてのはず。

 

アルバムはライ・クーダー&ラロ・ゲレーロで幕開け。その後収録曲はどれもすばらしく、テックス・メックスというかラテン・ボーダーの音楽にしみこむ情緒感をしっとり伝えてくれます。やはり西海岸ジャクスン・ブラウン昨夏の新作からの再演もあり。今回のヴァージョンのほうがメキシカン・フィールが強く、イスパニック系移民がテーマの曲なのでより沁みます。

 

個人的にはリンダ自身がヴォーカルで参加している(といっても何年の録音だろう?パーキンソン病で引退しているはずなんだけど)数曲(2、5、8、9)がずいぶんいいなと感じます。特に「アクロス・ザ・ボーダー」(w エミルー・ハリス)とか「アイ・ウィル・ネヴァー・マリー」(w ドリー・パートン)とか。

 

トータル一時間半CDなら二枚組サイズになりそうな大きなテーマではありますが、今作は、でもプライベートな内容でもあるので、あっさり39分というレコード尺におさめてささっと聴かせるあたりも工夫が効いていますね。肩肘はらない自然体という感じで、こうした歌の数々はリンダにとってはあたりまえの日常だからでしょう。

 

(written 2022.12.1)

2022/12/01

肉感的で痩身なコントラバス独奏 〜 ハーン・メスリアン

(3 min read)

 

Kham Meslien / Fantômes… Futurs
https://open.spotify.com/album/1D9axOGORyXV8UuM1ukX5n?si=NPF1MOalQdWB0doNtoBOFA

 

bandcampにページがあるだけで、それ以外アルファベットで検索すれどなにも情報がないハーン・メスリアン(という読みでいいの?かもわからず)のアルバム『Fantômes… Futurs』(2022)。出会ったのはぼく向きにカスタマイズされたSpotifyの新着紹介プレイリスト『Discover Weekly』でのこと。

 

流れてきたコントラバス・サウンドに思わず釘づけ、魔法にかけられたかのごとく惹き込まれ、これだれ?どんなひと?と思っても、どこのエリアの音楽家なのかすらわかりませんからね。ジャケ写が本人だとすれば、男性コントラバス奏者なんだろうということしか手がかりがなく。

 

アルバムの音楽に感動してInstagramに投稿しているうち本人アカウントに見つかって相互フォローのお友だち状態になってしまったから、そのへんはDMかなにかで聞けば教えてもらえるかもしれないんですけども(なぜ聞かない?>じぶん)、いまのところすべてがミステリー。

 

でも音楽にはひじょうに強い牽引力、ほぼチャームのマジックといってもいいくらいなあざやかなものがあります。基本的にコントラバス独奏で構成されていて、そのナマナマしい極太サウンドをとらえた録音もみごと。こんなぶっとい肉感的なベースの音は聴いたことないよなあ。

 

エレクトロニクスな気もしますが打楽器音や、人声とか、コラ(じゃないかと思うなにかの弦楽器)などトラックによりコラージュされてありますが、それらもハーンの演奏なのかどうなのか。Anthony Josephの名がありますから4曲目での英語のスピーチはそのひとなんでしょうけど、それ以外はわからないです(どうしてbandcampのページにクレジットを載せないのだろう)。

 

でもあくまでベース独奏でできあがっている音楽で、そのベースはたいていのトラックで二重にオーヴァー・ダビングされているように聴こえます。一本がオスティナートみたいな一定の短いパッセージを反復し、他本がその上で自由に即興しているという感じ。

 

純粋に音しかここにはなく、物語も、情緒感とか人間的な風味みたいなものも徹底的に排除されたドライな音楽。ベースの音色はとても野生的で肉感的であるものの、音楽性としてはいっさいのムダがない極限の痩身にまでとことん削ぎ落とされた美を聴く思いです。

 

(written 2022.11.13)

2022/11/30

アデデジの肉感アフロ・ファンク

(2 min read)

 

Adédèjì / Yoruba Odyssey
https://open.spotify.com/album/6YBfiq0YiRY4l4UaieAYRx?si=HlUTtemRRSqoCPlzTDtszQ

 

bunboniさんに教わりました。感謝ですね〜。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2022-10-30

 

ナイジェリアのアデデジ。いままでの作品は洗練されたジャジーな感じでしたが、最新作『Yoruba Odyssey』(2022)では豪快で野生的なぶっといアフロ・ファンク寄りの音楽になっていて、これも最高ですよね。

 

しょっぱなからおしまいまでアッパー。アクセル全開でつんのめり気味に疾走するさまに、初老のぼくなんかタジタジになってしまうんですが、ちょっぴり聴きづらいかもと感じないでもないのはそのため。豪速球ばかりのピッチャーみたいで緩急がなく、ややのっぺりしているというか。

 

だけどこの野太いファンク・グルーヴの快感にはひれ伏すしかありません。ストレートな勢いを感じさせる内容で、リズムもホーン・セクションも絶好調に疾走します。そのなかを、これだけはいままでと同じアデデジのクリア・トーンなエレキ・ギターが縫っていくという構成。

 

実はちょっとエフェクト足したほうがこの手のサウンドには合うのでは?という気もしますが、これがジャズ・ギターリストたるアデデジの本領でしょう。

 

ヴォーカルのほうは乱暴に投げつけるようなスタイルで迫力があります。あくまでギターのほうが本分なんでしょうね。ギターといえばアデデジはそのみずから弾くリフを土台に音楽を組み立てているのが聴いているとよくわかって、今作はあまり装飾しないゴツゴツした骨組があらわになっている音楽ですから、こうしたことは利点ですよね。

 

(written 2022.11.19)

2022/11/29

ジャスティン・アダムズ produces スアド・マシ 〜『Sequana』

(2 min read)

 

Souad Massi / Sequana
https://open.spotify.com/album/64Uwr6ZmYrBNABToF47PRN?si=6u2kSRifT5ys3NgjFy-Y0Q

 

なんでこんなジャケットなのかだけがどうしても得心いかないスアド・マシ(アルジェリア/フランス)の最新作『Sequana』(2022)ですが、中身の音楽に風変わりなところはないばかりかいままでよりいっそう充実していて、安心して聴けます、ジャケを見なければ。

 

今回はかのジャスティン・アダムズがプロデュースということで、といってもそれは日本でCDを売るオフィス・サンビーニャの情報、Spotifyでクレジットを見たらスアド自身しか全曲のプロデューサー欄に名前がありません。どうなってんの。

 

もちろんサウンドを聴けば、ティナリウェンなどを手がけてきたジャスティンらしさがそこかしこにしっかり聴きとれるので、サンビーニャ情報に間違いはないはず。アルジェリアの音楽家は初めてかもしれませんね。

 

たとえばイタリア系イギリス人ピエール・ファッチーニをゲスト・ヴォーカリストにむかえた3曲目後半での回転する反復パターンなんかはやっぱり砂漠のブルーズを想起させるもので、こうしたものが好きなぼくにはうれしいところ。こういうのはいままでのスアドの音楽になかったものでしょう。

 

でもほかはほとんど従来の哀感強めなスアドの音楽が表現されていて、ジャスティンはこの音楽家の持ち味をそのまま活かすようにプロデュースしたんだなとわかります。ややフォーキーなシンガー・ソングライター然としたものもいままでどおりあって、今回哀感はいままでの民族ルーツ的、エクサイル的なものというより、コロナ時代ならではの不安や孤独へと向かっている模様。

 

シャアビ(アルジェリア大衆音楽)らしいものとか、アクースティック楽器を基本としながらも、なかにはハード・ロックばりにエレキ・ギターが強めの音で鳴るものも一個だけあったりして、なかなか多彩です。個人的には終盤の10曲目(ボサ・ノーヴァふう+ナイ)、11曲目(アクギ弾き語り)にグッとくるものがあります。

 

(written 2022.11.28)

2022/11/28

ホントどっちがどっち?〜 ミカエル・シェレ&スコット・ハミルトン

(3 min read)

 

Michael Cheret Quartet Invite Scott Hamilton / French Song
https://open.spotify.com/album/37P6dF9bxSaJbwx4FvUjLl?si=sLknBL_8TxShKGqLB4nCSw

 

このミカエル・シェレ・カルテット with スコット・ハミルトンの『French Song』(2022)がぼくのSpotifyアプリに登場したのは、長年看過してきたスコット・ハミルトンのことを最近見なおすようになり聴きはじめたからでしょう。たしかに新作だけど、注目を集めているとか大勢が聴いているとかじゃぜんぜんありませんから。

 

ミカエル・シェレっていうフランス人テナー・サックス奏者のことはまったく知りませんでした。スコット・ハミルトンが呼ばれこうして共演作をリリースしなかったら一生知ることもなかったんじゃないですかね。でも演奏がなかなかいいっていうかスコット・ハミルトンにそっくりすぎるっていうかそのフォロワーかもしれません、ここまで似ているというのは。

 

まるでコールマン・ホーキンスとベン・ウェブスターとチュー・ベリーを音だけで区別できないように(ウソ)、本作でのミカエルとスコットはここどっち?と判別できないんですよね。しかし、あっここで入れ替わったぞとわかるので、それなりの違いが聴こえてはいるんでしょう、でもどっちからどっちへなったのかはやっぱりわからず。

 

だからそういう聴き分けはあきらめて、二本のテナー・サックスがピアノ・トリオをバックにフランスの歌を抒情的につづるさまを漠然と楽しむっていうのがこのアルバムの聴きかたなんでしょうね。じっさいこのえもいわれぬかたちのない茫漠たる情緒感こそが命の音楽だと思えます。

 

ジャズだってもともとはそういうものだったのに、1940年代のビ・バップ革命以後かなり違う方向に進んでしまって、スコット・ハミルトンはデビューこそ遅かったものの、そうした失われた世界にあこがれて、それを表現せんと登場した才能でしたからね。あのころぼくはバカにしていましたけど、いまとなってはすばらしい表現力だと感嘆のため息ばかり。

 

本作もなにかこうぼくの琴線に触れてくる音楽で、こうしたしっとりした人間情緒をるるとつづるジャズはほんとうに心から好きだ、たまらない、なんどでもくりかえし聴きたいという気分になってしまいます。

 

ことに1、3、5、7曲目での湿ったエモーションなんか、もうほんとうになんといったらいいか。アルバム全編でテナー・サックスはつねに(入れ替わりながら)二本聴こえますが、ラストの7「Le Soir」でだけはどちらか片方だけみたい。最高のバラード吹奏なんですけど、ほんとどっち?

 

(written 2022.11.8)

2022/11/27

これがコンテンポラリーUKジャズだっていうんなら案外いいじゃない 〜 カミラ・ジョージ

(2 min read)

 

Camilla George / Ibio-Ibio
https://open.spotify.com/album/0qIUtII533DzbMMVXmvGuC?si=iztxS4v1TPy1jyPMhDxJkw

 

ナイジェリアにルーツを持つロンドンのサックス奏者、カミラ・ジョージは先鋭的なコンテンポラリーUKジャズを担う一員に数えられているわけですが、最新作『Ibio-Ibio』(2022)を聴いてもオールド・ファッションドというかレトロというか、まるでハード・バップ・サックスみたいじゃんと感じたりする瞬間もあったりします。

 

最もハード・バップを感じるのはバラードの6曲目。まるでソニー・クリス。それ以外もとっつきやすいイージー・ジャズというおもむきで、グルーヴ・チューンなんかクール&ザ・ギャングみたいな80sジャズ・ファンクにそっくり(特にギター・カッティング)。いちおうラップとか混ぜたりしているものの、ヒップ・ホップ以後的なサウンド・メイクはカミラの音楽に薄いような。

 

新世代的っぽくないからいけないといっているんじゃなくて、ぼくみたいな旧感覚ジジイ世代だと、カミラがやっているようなこうしたジャズは大好物。聴きやすいしわかりやすく、どんなふうに音楽をつくっているか明快で、すっかりくつろげる心地よさなんですね。

 

クラブ・ジャズ・フィール満開ではあるけれど、1980〜90年代くらいのサウンドじゃないですかね、この『Ibio-Ibio』って。いちばんジャズ系の新しいものを聴きまくっていたあの時代、フュージョン、アシッド・ジャズ、レア・グルーヴとか、Us3とかも出てきて、個人的なアンテナがピンと張って新進を吸収しようという気概に満ちていたあの時代を思い起こします。

 

旧体質だったベニー・グッドマンが(自分のコンボに雇った)チャーリー・クリスチャンを聴いて「これがビ・バップというものならばビ・バップも悪くない」と発言した逸話が残されていますが、カミラ・ジョージを聴いていると「これがコンテンポラリーUKジャズだっていうんなら案外いいじゃない」と思うオヤジが続出しそうな気がしますよ。

 

(written 2022.11.3)

2022/11/26

歴史は一方向的に進むとかぎらない

(4 min read)

 

チャールズ・ダーウィン(とジークムント・フロイト)が20世紀以後の思考に与えた影響って絶大なんですけど、ぼくが生きてきた文学研究や批評などの世界ではポスト・モダニズム(1980〜90年代)あたりでそれら一回読みなおしがなされたものなんですね。

 

科学工業技術ならたしかにこっち向きだけに進化するでしょうけど、音楽をふくむ文化の世界では必ずしもそうではなく、わりとちょくちょく逆流し復古的な動きが出て、それが時代の最新流行みたいになることもあるじゃないですか。

 

ちょっと前のものは古くさくダサいけど、かなり前ならいったん忘れられているせいか奇異で新鮮に感じられるとか。テクノロジーなら刷新されるだけですけど。

 

衣服トレンドの世界でもそういったことは頻繁に起きます。文化現象とは本質的に進化論になじまない世界なんだというのがぼくの考えで、ぼくだけじゃなく文化の歴史全般を冷静にふりかえってみれば、進化ばかりじゃなかった、復古運動はよくあったとわかるし、そもそも「進化」ってなに?!という根源的問いが発生するのはみんな同じであるはず。

 

2010年代以後の日本Z世代における昭和レトロ・ムーヴメントもそうですし、音楽でも昭和歌謡やアナログ・レコードが見なおされる動きは顕著ですよね。そして、なによりこうした流れが顕著だなとぼくが感じるのは、世界のポップス界におけるアクースティック&レトロ志向の大流行です。

 

最新の「コンテンポラリー」・ポップスの世界では、もはやコンピューター打ち込みやシンセサイザーを駆使したデジタル・サウンドは古くさく、おもしろくないもの。アクースティック楽器の生演奏を中心に使っておだやかでジャジーななめらかミュージックをつくりだそうという動きこそ最新トレンドになっていますよね。

 

むろんこれにあてはまらないデジタルなコンテンポラリー・ミュージックもたっくさんあるんですけど、アクースティック志向が「古い」とか「コンテンポラリーじゃない」と言うひとがもしあれば、そのひとのあたまのなかは打ち込み全盛だった1990年代あたりの発想で埋められているのかもしれません。

 

そうすると音楽におけるコンテンポラリーとはなんなのか?わからなくなるというわけで、じっさい古い vs 新しいとか、アップデートでこれが過去のものになるとか、そうした一種の進化論発想では理解できないのが音楽(やその他芸能文化)の世界、歴史だったんじゃないでしょうか。

 

いま、ここ10年くらいかな、1930〜50年代のスウィング・ジャズ時代に範をとったようなちょっとおしゃれ&おだやかでレトロなオーガニック・ポッポスが一大トレンドになっていて、大学生時代からその手の(ぼくが聴いていたのは録音も30年代のヴィンテージものだったけど)音楽が大好きだった身としては、いまそれが復古的にブームになっているのはうれしいかぎりなんですね。

 

いうまでもなく復古的というのはぼく世代の見かたであって、現代の若手歌手音楽家にとっては、いままでリアルタイムでは接してこなかった未知の領域に出会って、おしゃれだおもしろいと感じ惹かれて、自分でもやってみているということなんですから、そうした世代にとっては「新しい世界」の音楽なんです。

 

なもんで、レトロ/コンテンポラリーを二項対立的にとらえる発想は実をいうとよくわかんなくて、いまの時代に現在進行形でファッションになっているものが contemporary ということばの意味なんだから、それならアクースティック&レトロなオーガニック・ポップスこそがいまコンテンポラリーじゃんって言いたくなります。

 

(written 2022.11.5)

2022/11/25

ジグソーパズル 1000ピース ジブリ 天空の城ラピュタ 飛行石の力 50x75cm 1000-225 エンスカイ 梱80cm t102

(3 min read)

 

Larkin Poe / Blood Harmony
https://open.spotify.com/album/7a1OYhSHt34tgtafwQnmBE?si=g_c2DtPnQHG5gGOKdOqcMw

 

説明不要の存在になってきたラーキン・ポー。最初にここでとりあげた数年前は「だれっ?!」っていうような反応でしたが、やっぱこういう1960年代末〜70年代前半という黄金期に時代を画したブルーズ・ロック・スタイルってなんだかんだいまだ愛されているんですよね。ある意味不変。

 

最新作『ブラッド・ハーモニー』(2022)は日本盤も出たばかりか、なんと日本先行発売だったので大きな話題を呼び、またしても新規ファンを獲得した様子。それもこれもこの二人姉妹の確固たる指向・信念の継続あればこそでしょう。

 

曲が終了した瞬間に思わずもれる声を聴けば、アルバムは五人のバンド・メンバー(ベースとドラムスと鍵盤はサポート陣)による緊迫感に満ちたライヴ一発録りだったとわかり、そんなところも伝統的なマナーを堅持しているというかレトロというか、音楽本来のありかたを希求しているというか。

 

今回はジャケットを一瞥なさればおわかりのように “LARKIN POE” の文字がレッド・ツェッペリン・フォントになっています。音楽も、まさにツェッペリンが表現していたようなサザン・アメリカン・ブルーズを土台にしたギター・ハード・ロック一色で、刹那刹那にラーキン・ポーもツェッペリンへのオマージュを意識したなと思わせるサウンドがあります。

 

個人的には特に8「Kick the Blues」〜9「Might As Well Be Me」〜10「Summertime Sunset」あたりの流れにぐっと胸をつかまれるものがありますね。姉メーガンのブルージーなラップ・スティール・ギターも最高に斬れ味抜群で聴きごたえがあって、もう気持ちいいったらありゃしない。大好き。

 

ロック(やジャズ)におけるブルーズ要素は21世紀に入って以後どんどん薄くなるばかりで、いまやできればゼロがいいというのがトレンドなんですけども、そうはいってもですね、高年オヤジとしてはラーキン・ポーみたいな若手新世代に伝統的なブルーズ・ロックをしっかり継承し価値を共有するバンドが再出現してきているのをなんとも好ましく思うわけなんであります。

 

トレンドが一方に傾くと他方は思いっきり無視されてしまうというバランス感覚の欠如は居心地がとても悪くって、ブルーズ・ベースのギター・ロックが2022年にあったっていいじゃないか、そういうのが好きで応援するファンはかなりいるし、”あのころ” から現役の高齢ロッカーばかりじゃないんだぞとラーキン・ポーはしっかり示してくれています。

 

(written 2022.11.25)

2022/11/24

ナイト・クラブでカクテルを 〜 アンドレ・ミンガス

(2 min read)

 

André Mingas / É Luanda
https://open.spotify.com/album/1tUYH9RiAHWkhj3SiFt848?si=roHoOtj7Ry6U08NBIw0Sqg

 

Astralさんのご紹介で知りました。
https://astral-clave.blog.ss-blog.jp/2022-10-23

 

アンゴラのミュージシャンなんですけどアンドレ・ミンガスの2011年作『É Luanda』がとってもおしゃれに洗練された音楽で、土くささやアクのない都会的なムードで、ぼくにはとっても心地いいです。

 

リズムもそうだしストリングスもホーンズもジャジーっていうか、Astralさんはフィリー・ソウルみたいだとおっしゃっていますけど(5、9曲目あたりかな)ほんとそんな感じですね。ボレーロ/フィーリンっぽいやわらかさでもあるなとぼくだったら思います。

 

そして実際ボレーロは本作に複数あります。1曲目のアルバム・タイトル曲こそセンバですけど、それだってファンキー(汗、体臭)さのない洗練されたできあがり。アンゴラ人がセンバをやってここまであっさりと小洒落た感じになるっていうのがアンドレの持ち味なんでしょうね。

 

ブラジル人ミュージシャンを起用してブラジルで録音した作品だというのも、そんなモダンなおしゃれ感をまとう大きな原因になっているのかもしれません。3、7曲目なんかは正真正銘のラテン・ボレーロで、スウィート&メロウな雰囲気満点。こういう音楽がぼくは大好きなんですよね。

 

速く強いビートが効いた曲だって、なんだかジャズ・フュージョンっぽさ(+サルサ要素)すら香らせているし、全体的にシティ・ポップっぽくもあり、日没後のバーやナイト・クラブとかでカクテルとか飲みながら(ぼくは下戸だけど)いいムードでリラックスするのに似合いそうな、そんな音楽ですよ。

 

(written 2022.11.15)

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2022/11/23

いやらしいファンキー&アーシーさ 〜 ビッグ・ジョン・パットン

(2 min read)

 

Big John Patton / Oh Baby!
https://open.spotify.com/album/7motRVL6Bmk1ktXiIllhm6?si=o3l5t_p2QP64AH_XoWCl4g

 

ソウル・ジャズのオルガン奏者、ビッグ・ジョン・パットンの『Oh Baby!』(1965)を聴く機会があったのは、これもブルー・ノートの公式ソーシャルがきっかけ。ヴァイナル・リイシューされたというお知らせで、それを見てサブスクでさがしました。

 

いやらしいファンキー&アーシー路線まっしぐらで、やっぱこういうの好きです、ぼくはいまだに。しかもカンタンな打ち合わせだけでやってみたジャムみたいなものじゃなくて、事前にアレンジが練り込まれリハーサルもそれなりに積んだということをうかがわせるタイトさがあって、そんなところも好み。

 

特にオープニングの「ファット・ジュディ」が最高。なぜならこれは大好きな「ザ・サイドワインダー」(リー・モーガン、1964)のパターンそのままだから。パッ、パッとスタッカートで演奏されるリフはほぼパクリといってもいいくらい。ビートのかたちだってねえ。

 

こうしたジャズ・ロックのノリが好きでたまらないぼくには「ファット・ジュディ」もこたえられないおいしさですよ。こっちではベン・ディクスンのドラミング、なかでもベース・ドラムの踏みかたに独特の快感があって、ヤミツキになるグルーヴィさ。グラント・グリーンは一発でこのギターリストだと見ずともわかる手癖で、それも好き。

 

ビッグ・ジョンのハモンド・オルガンだって、これでもかとスケベったらしくもりあげて、それはアルバム全編でいえることなんですが、こういうのはアメリカン・ブラック・ミュージックで、20世紀のあいだは、伝統的なマナーだったものなんです。そこに悦楽を見出すファンのひとりなんです、ぼくは。

 

ラテン・ビートを使ったものだってあるし、ストレートなシャッフル・ブルーズもありで、全編ノリいいグルーヴ・チューン。メロウなスウィート・バラードが一曲あったなら文句なしだったんじゃないですかね。5曲目のストレートな高速4ビートはあんがい現代的です。

 

(written 2022.11.1)

2022/11/22

今年で50歳

(4 min read)

 

というアルバムがたくさんあると思います、ちょうどリリースから半世紀が経過したってものが。なぜなら1972年ごろはロックやソウルなど米英ポピュラー・ミュージックの最盛期で、傑作がどんどん出ていましたから。昨年も71年産の音楽に触れて同じようなことを書きましたね。あのころからちょうどハーフ・センチュリー。時代を感じます。

 

そんな72年作からパッと思いついた四つを上で画像タイルしておいたわけですが、音楽家名もアルバム題も、いっさいの説明も、なにもかも不要という問答無用の傑作ばかり。さっと一瞥しただけで中身の音楽が自動で脳内再生されるというかたもたくさんいらっしゃるはず。

 

71、72年ばかりか、こうしたことは1969年ごろからはじまって、75年あたりまでずっと続いたことだと思うんですね。米英大衆音楽史でひときわ豊穣でスペシャルな時間だったのは間違いなく、そのころすでに50年以上レコード史のあったジャズでも、ファンクやロックやブラジル音楽など他ジャンルとフュージョンするようにして新時代の刺激的傑作を産んでいました。

 

あのころ(1960年代末〜70年代なかごろ)のロックその他など、なぜあそこまで豊かだったのか、いま聴きなおしても、これはなにかとってもスペシャルなものだと新参者でも直観できる魅力がどこにあって、どうしていまだにファンを獲得し続けているのか、社会状況はじめ時代とどうクロスしたのかなど、ぼくみたいな人間には摩訶不思議なマジックがあったとしか思えず。

 

あのころ一連の傑作群をぼこぼこと誕生させていた当の音楽家本人は、年老いて衰退したか亡くなってしまったというケースがあるものの、いまだ健在で、往時のまばゆい輝きはなくなっても、ずっと元気に活動を続け円熟味を発揮しているひとだって多いですよね。

 

1972年に25歳だったと仮定したら、50年経過していまは75歳。健康寿命も伸びている現在、ましてや音楽創作活動に没頭する種類の人間にとっては、まだまだやれる歳のはず。上でタイルした四作のうち、ドクター・ジョンとカーティス・メイフィールドは亡くなって、スティーヴィはちょっとペース落ち気味かな、でもストーンズはいまだ第一線ですから。

 

そのほかポール・マッカートニーにもロビー・ロバートスンにもカエターノ・ヴェローゾにもまだまだ新作を届けてほしいと、永遠に生きられる人間はいないし、年代からすればぼくのほうが死ぬのはあとなんで残されてさびしい思いをすることになるでしょうけど、まだあと10年は期待を寄せたいです。

 

むろん、そういったみんながあの時代に創り発表したああいった超絶名作に匹敵するようなものは若手新世代が産んでいくということになるんですけど、そのためのヒント、きっかけになるような要素をベテランはたくさん持っているんじゃないでしょうか。

 

ぼくも還暦、日本人男性の平均寿命を基準に考えたらおそらくこの先21年ほどなんで、そのうち健康で音楽を楽しめる時間がどれくらい残されているか、どれだけ時代の生まれ変わりを音楽で実感していくことができるかわかんないんですけども。

 

(written 2022.11.10)

2022年ジャズ最高傑作 〜 パトリシア・ブレナン

(3 min read)

 

Patricia Brennan / More Touch
https://open.spotify.com/album/68FjddVbbxBB0qI58Lsqu6?si=PPp3k9r7T6GA_SG0PDDtbw

 

パトリシア・ブレナン(メキシコ、在NYC)の新作アルバム『モア・タッチ』(2022)がリリースされました。以前から本人のソーシャルで予告され、二曲先行で聴けたので、おおいに期待が高まっていたところ、それをはるかに超える水準の大傑作で、パトリシアは一気にNY現代ジャズ・シーンの中心におどりでた感じです。

 

全編アンビエントなヴァイブラフォン(+エレクトロ・エフェクター) or マリンバ独奏だった前作『Maquishti』(2021)から、今回はパーカッション・カルテットへと編成を替えています。コントラバスは通常打楽器の範疇には数えられないものですが、本作での扱いはビート楽器として。

 

ベース以外はパトリシア+ドラムス+パーカッションというわけで、今回の新作でも各種デジタル・エフェクトをヴァイブにかけて、音をかなり曲げています。音色でグルーヴするというか、そんな音響性にも特色のある音楽家ですからね。

 

前作の延長線をカルテット編成で拡大したような部分もありますが、大きく異なる音楽性を持った本作、それはルーツたるメキシカン・フォークロアへと立ち還り、リズム面でかなり大胆な冒険をしているところ。

 

そのために21世紀新世代ジャズを代表するグルーヴ・メイカーの一人マーカス・ギルモアと、ラテン・パーカッショニストのマウリシオ・エレーラを起用していて、四人で自在に変化するしなやかで多彩でディープなリズムをノリよく産み出しているさまには、聴いていてゾクゾクするスリルがあります。

 

譜面化し緻密に練りあげられたコンポジションと飛翔する集団インプロヴィゼイションとのバランスもあざやかで、その軸をマーカスの闊達なドラミングがしっかり握っている印象です。じっさい本作でのこのドラマーの活躍ぶりには耳をそばだてる秀逸さがありますね。主役といってもいいくらい。

 

特にすばらしいと感動するのが1「Unquiet Respect」、3「Space For Hour」、4「El Nehualli (The Shadow Soul)」、6「Square Bimagic」、9「Sizigia (Syzygy)」あたり。躍動的にグルーヴするアフロ・メキシカン・ジャズといった感じで、ワクワクします。

 

ことに14分以上におよぶ大作「Space For Hour」は最初ピアニッシモでゆったりと幕開けするものの、徐々にマウリシオのコンガがいろどりをくわえていき、その後なんどかさまざまに曲想と調子を急変させながら中盤からは大きくもりあがり、エンディングで激しい打楽器四重奏が一体となってグルーヴィに昇天します。

 

(written 2022.11.21)

2022/11/21

INFINITE Hair works が松山No.1のヘア・サロンである理由

(4 min read)

 

https://infinite-hws.com

 

それはなんといってもハウオリをやるお店がまだここだけだってこと。松山でというばかりか四国でみてもここ一軒しかないんですよね。松山市余戸のINFINITE Hair worksはオーナー・スタイリストの佐藤千春さんがひとりでやっているお店。向学心旺盛で、つねに新しい知見や技術を学び取り入れアップデートする姿勢はほんとうにすばらしいと思います。

ここでハウオリがメニューにくわわったのは2018年暮れごろのこと。佐藤さんの発明ではなく、茨城でMACOTO HAIR mahalocoというサロンを経営している岩上巧さんの開発です。化学薬剤をいっさい使わず、加熱加圧水蒸気とスタイリストの手技だけで行う髪質改善メニュー。

 

下はハウオリされているぼく。

これがハウオリ・マシン↓

ハウオリで髪質の確実な向上を実感しトリコになってしまい、その後ここへ来るときは毎回必ずこの看板メニューをやってもらうようになりました。猫っ毛でペタっと寝てしまうぼくの髪にもヴォリュームが出るし、しっとりしたハリとツヤが増し、しかもくりかえしやればやるほど髪の状態がよくなっていくというのがハウオリ。

 

こどもの髪ってサラツヤでいいなと思いませんか。水分がたっぷり含まれているからなんですが、大人の髪に水分を浸透させていく技術がハウオリです。結果的にしなやかでコシのある扱いやすい髪になりますし、一度の施術でしばらく良好な状態が続き、エイジド・ヘアの衰えに悩む40代以上にはもってこいのメニュー。
https://infinite-hws.com/goodbye/

 

ハウオリに唯一問題があるとすれば、それはまだ松山でこのお店でしかやっていないこと。全国的にもやれるところがまだ少数で、たまたまぼくは松山在住なのでラッキーでしたが、これほどのみごとな施術、もっと普及するといいのになと思います。そんなわけでINFINITE Hair worksは予約のとりにくい人気店となりました。

 

そのほかINFINITE Hair worksの目立った特徴は、ステップボーン・カットとスリーバイ・カラーでしょう。前者は特別なはさみを使い個々人の骨格に合わせ立体的にカットしていく技術。すっきりきれいな小顔に仕上がりますし、自宅に帰ってから鏡で見ても、数日から一週間が経過しても、デザインされた髪型の美しさが保たれます。
https://infinite-hws.com/stepbonecut/

 

最近はじまったスリーバイ・カラーは、カラー単価が四万円のスーパー・ヘアカラーリストの土田強さんから直々に学んだカラー技術とのこと。加齢で白髪に悩むのはみんな同じですが、いはゆる白髪染めではなく、【ハイライト】【ミドルライト】【ローライト】の三色を独自の黄金バランスで入れていくもの。

 

これはスリーバイ・カラー施術ちゅうのぼく↓

つまりデザイン・カラーなんですが、こういうとオフィス向きではないと思われるかもしれません。しかし全体をなじませるようなまろやかな仕上がりはとてもクラッシーで、奥行き感を表現でき、白髪に悩む中高年にはもってこいのカラーリングなんです。ぼくはこんな感じに仕上がりました↓。ちょっとお値段お高めなのがあれですが、半年に一回でOKなので。

ハウオリ、ステップボーン・カット、スリーバイ・カラーという三つのメニューが揃う佐藤千春さんのINFINITE Hair worksは、とってもスペシャルなお店です。特にハウオリはここでしかできないメニューですし、エイジド・ヘアの髪質改善が得意な落ち着いたムードのプライヴェイト・サロンで、もうウレシタノシ。

 

(written 2022.11.17)

2022/11/20

浮きこぼれ

(5 min read)

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/7bee2e0bc1f4be2757d6deecd6cec0193ad4d8ea

 

ということばを、昨晩ネットをぶらついていて初めて知りました。よく知られている落ちこぼれの対義語で、学力がとても高いがために学校の教室で浮いてしまい、教師から(なぜか)怒られたりクラスメートからいじめられたりして強い違和感を持ち、学校から遠ざかってしまうケースを言うようです。

 

こうしたことは、指し示すことばこそなかったものの、むかしからあったとよく知られているはず。そして、だれよりこのぼくがほかならぬ浮きこぼれだったのです。特に学力が急速に伸びはじめた中学生のころから、不登校にはならなかったものの、なんだかクラスで自分だけ「かなりヘン」だぞと感じていました。

 

飛び級したり10歳くらいで難関大学に合格したりするこどものニュースが世界にはたくさんありますから、めずらしい事象でもないのでしょう。勉強が心から好きっていうこどもはいつでもどこにでもいて、楽しくてしかたがないのでどんどん自分で進んで学ぶ結果、そうでもない周囲(incl.教師)からは「こいつオカシイぞ」と見られるようになってしまいます。

 

ついてこられないのが落ちこぼれですが、進みすぎてもうとまれるというわけで、だいたい小中学校時分ってスポーツができると羨望の的なのに、学力が高すぎるばあいは異端視されるんですよね。だれも頭抜けずみんな同じくらいの平均を揃って維持している状態こそが望ましいとみなす日本の学校教育システムに原因の根本があります。

 

つまり、学習能力や進度ってひとりひとりバラバラなんだから、数十人を一箇所に集めて一斉に同じ授業を受けさせるという方式がそもそもよくないわけです。それでもなぜだか学校は行かなくちゃダメだということになっていることにあまりだれも疑問をいだいていないですよね。

 

じっさいぼくも、特に中学の英語と数学の授業は正直言ってかなり退屈でした。こっちはそんなこととっくにわかっているし充分理解実践できているのに、どうして教師がそこまでていねいに説明を尽くさなければならないか、それなのになぜみんなわからないのか、納得できずイライラするというのが本心でした。両教科ともテストはつねに100点でしたし。あんな簡単なもん、100点以外とりようがないってもんです。

 

しかも中間とか期末とかのテスト時間って45分だったか50分間あるわけで、最初の10分ほどで解答と見直しがすべて終わってしまうから、残りの時間やることがなくひたすらガマンで、中途外出も認められなかったから、紙の余白に落書きして遊んでいましたよねえ。時間が来たらそれを消しゴムで消すっていう。入試でもそうでした。

 

出題パターンというかヴァリエイションがすべて読めちゃっていたわけですから。学校の授業やテストはイージーすぎて退屈でしたけど、それを土台に自分でどんどん先へ進むのはめっちゃ楽しくて、塾は行かなかったんですが、参考書や問題集を買って自宅でやっていました。

 

中学三年のときには高校生用の英文法書を熟読して英英辞典を引いていて、それをうれしげに職員室へ持っていって英語教師に見せると、お前すごいな!とビックリされながら同時に「あんまり一人で先へ進みすぎるな」「点取り虫と言われるぞ」とか注意されたりもして、意味がわからずひたすら??マークが浮かんでいました。

 

そして、学力が高すぎるがため教師や生徒にヘンな目で見られたりなにか言われたりして疎外感を持つというのは、実は在校時代だけの話。社会に出たらすばらしいっ!と言われ褒められるだけで、やりすぎだと注意されたり怒られるなんてことはありません。どんどん学んでおいてよかったぁと実感することばかり。

 

学校時代にしか経験しない違和疎外フィールなんですから、上でも書きましたがやっぱり学校システムじたいに問題があるんだとしか思えませんよ、落ちこぼれや浮きこぼれは。

 

(written 2022.11.15)

2022/11/19

ジャズ・ピアノの父、アール・ハインズの「サムウェア」が大好き

(5 min read)

 

Earl Hines / Somewhere
https://www.youtube.com/watch?v=GJWnyBH_q4I

 

「ジャズ・ピアノの父」とまで言われた偉大なアール・ハインズ(1903-83)の功績は、ぼく世代くらいまでだと入門時にこれでもかというほど叩き込まれたんですが、近年は名前すらさっぱり出なくなりましたね。ジャズの世界で整った右手シングル・ノート・ラインを弾くというのはハインズの発明なのに、あまりにもあたりまえになったからでしょうか。コロンブスの卵。

 

ことばの世界で仕事をしてきて語源参照主義がすっかり骨身にしみこんでいたのと同じく、趣味の音楽のことでもいつだってルーツやスタート地点を意識する指向の強いぼくとしては、21世紀になってもなおハインズあってこそのジャズ・ピアノなんだぞと声を大にして言いたいわけですが。

 

ともあれ、そんなハインズの残した音楽のうち個人的に最も好きなパフォーマンスが、アルバム『ザ・ジャズ・ピアノ』(1966)オープニングの「サムウェア」。65年ピッツバーグ・ジャズ・フェスティヴァルでのライヴ録音で、このときの同フェスはさまざまな古典スタイルのジャズ・ピアニストが一堂に介していました。

 

ですからアルバムも一曲づつ演奏するピアニストが違っていて、ソロだったりデュオだったりトリオだったりで、それぞれ古典的なオリジナル・ジャズ・ピアノ・スタイルを、それを編み出した当人の演奏で聴けるっていう、ぼくなんかには夢のような一枚。

 

サブスクにあるわけないんで、CDからMacにインポートしたファイルで楽しんでいるわけですが、なんど聴いてもどう聴いても1曲目アール・ハインズの「サムウェア」がチャーミングすぎると思うんです。まえからずっと好きだったのが、このごろ愛好度合いがいっそう増しているような感じで、どうしてここまで?が自分でもわからないほど。

 

アルバムにはほかにもみごとなピアノ演奏がいっぱいあるのに、1曲目のその「サムウェア」ばかりリピート再生モードにしてくりかえし聴いちゃうんだもんなあ。ハードなところエッジのとがったところがいっさいなく、なごやかでおだやかでそっとほほえみかけているようなゆったりした音の表情をしているのがいいんですよね。

 

もっとも(キース・ジャレットとかよりもずっと前から)ハインズはうなるピアニストなんで、古いバンド演奏とかだとわかりませんがここでは独奏で録音も現代の良好ですから、うなり声がしっかり録れちゃっているのはちょっとあれです。ピアノはほんとにきれいなんだけど。

 

1965年ってことはハインズもとうに全盛期をすぎていたのに、指さばきはあざやかのひとこと。自身の創造した右手シングル・ノート弾きでメロディアスなラインを弾きこなしていますが、ここでは独奏だけあってバランスよく左手で基底部をちゃんと支えているのもすばらしい。古典人らしく一人オーケストレイションができています。

 

ちょうど歩くようなゆったりしたテンポに設定されているのも心地よく、ハキハキ歯切れいい滑舌のよさみたいなのが聴きとれて爽快だし、大胆に思い切りよく弾き出しながら、それでいて繊細でデリケートでかわいくチャーミングなフレイジング。もう文句なしのジャズ・ピアノ独奏でしょう。

 

リズム伴奏をつけるのがあたりまえになって以後は、ジャズ・ピアノからこうしたエレガンスが消えてしまいました。もちろんハインズはどっちかというと現代にも受け継がれている、バンド演奏のなかで映えるモダンなホーン・スタイルをクリエイトした人物なわけですけど、ピアノ本来のものである独奏ならばこうした典雅な世界をも表現できたっていう。

 

1910〜30年代的なクラシカル・スタイルのジャズ・ピアノを愛するゆえんです。

 

(written 2022.10.28)

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